今日のことば
12/5 金曜日
縁という絆
自分が今日(こんにち)あるのはなんのお陰かという、その原因を求める心になると、親をはじめとする人びとや、自然の恵みという支えがあればこそ、こうして生かしてもらえているのだと分かってきます。
すると、おのずと感謝とともにその恩に報いなくてはならない、という気持ちになってきます。自分が、いま、ここに存在しているその「因」を、「心」に刻みつけると「恩」の字になるのです。
そのように見ると、「人間」という字も、まことによくできているのが分かります。人と人との間にあるもの、そこには空気だけではなく、互いに助け合い、支え合う縁という絆が、厳然として存在しているのです。それを自覚してこそ人間といえる、と「人間」という字は教えてくれます。
この、人と人との間にあるものが見えず、自分一人だけの力で生きていると思い込んでいる人のことを「間ぬけ」というのだという説がありますが、あながちこじつけとはいえないように思うのです。
庭野日敬著『開祖随感』第6巻 202~203頁より