今日のことば

12/29 月曜日

説かざる無慈悲

信仰者は常に謙虚さを保ち、自分を人に押しつけるようなことがあってはなりませんが、しかし、法を説くことにおいては、どんな相手であろうと躊躇(ちゅうちょ)したり、臆(おく)したりするようなことがあってはなりません。

「若い人たちは信仰の話に反発するから」などと敬遠せずに、若い人たちには、若い人たちの言葉で話してあげる。「倒産寸前に追い詰められている社長さんでは、信仰の話どころじゃないだろう」などと心配しないで、貪欲(とんよく)を滅する道についてズバリと教えてあげる。

国の政治を預かる人に対しても、また、核軍備にしのぎをけずる世界の為政者に対しても、「人類の運命をにぎっている人たちにこそ、真理の道を知ってもらわなければならない」と、敢然(かんぜん)と法を説かせてもらう。

真のよりどころを見いだせずに迷っている人たちを目の前にして、それを教えていただきながら説かずにいるのは、慈悲心が足りないのです。相手の心の奥底の求めを知って、相手が納得できる言葉で、精いっぱいの真心をもって話してあげる。それが慈悲心です。

庭野日敬著『開祖随感』第7巻 34~35頁より
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