今日のことば
4/2 木曜日
置き去りの魂
ミヒャエル・エンデというドイツの作家が、こんな話を紹介しています。
ある調査隊が雇(やと)ったインディアンのポーターたちが、それまで従順によく働いてきたのに、ある日、急に地べたにすわり込んでしまった。叱りつけても、賃金アップを言っても、テコでも動かない。あとで彼らは、「あまり早く歩きすぎたので、魂が追いつくのを待たなくてはならなかったんだ」と、説明したというのです。
戦後の日本は驚異的な経済成長を遂げましたが、その豊かさの中で、かけがえのないものを見失ってはいないでしょうか。私たちも一度すわり込んで、本当に大切なものは何だったのか、見極めなくてはならないと思うのです。
いまのこの繁栄が何によって得られたものか、私たちの幸せがどれだけの人の犠牲と恩恵によっているか、胸に刻み直さなくてはなりません。こんなに恵まれた生活をさせてもらえる感謝を持って自分の役割に徹してこそ、持てる力を最大に発揮することができます。「私たちの、のっとるべき道はここにある」と、自信を持って世界に示せる人になりたいものです。
庭野日敬著『開祖随感』第8巻 110~111頁より