今日のことば
3/29 日曜日
素直な心に咲く花
著名な漫画家が、弟子をとるとき絵の上手下手よりも気だてを重視すると言われていました。漫画家になるのに絵が下手ではと思うのですが、人間は、そのことだけに集中していくと、箸(はし)にも棒にもかからないと思われていた人が“突然変異”を起こして、がぜんうまくなるときがあるというのです。おもしろいじゃないですか。
お釈迦さまのお弟子に、教えの一句も覚えられなかった周梨槃特(しゅりはんどく)という人がいました。お師匠さんの教えどおり「私は精舎(しょうじゃ)を浄める」という一つの行に徹して、くる日もくる日も精舎の掃除に集中し、ある日、忽然(こつぜん)と悟りを開いたのですが、これもそうでしょう。お師匠さんの言葉どおり、ひたすら努力し続ける素直な心を持っていると、内にひそんでいる花が必ず開くときがくるのです。
さまざまな分野で一級の仕事をしている人の小学校時代の話を聞いても、優等生だったという人はむしろまれです。家庭教育では“人間の心”を育てることこそが大事。わが子の出世しか考えないようなお母さんに育てられると、どんな道を選んでも、自分を開花させることができない子になりかねません。
庭野日敬著『開祖随感』第8巻 100~101頁より