今日のことば
7/16 木曜日
宝の真価が分かれば
自分を訪ねてきた貧しい友人がもてなしの酒に酔って眠っているあいだに、急用で出かけなくてはならなくなった親友が、眠っている友人の衣の裏に高価な宝石を縫(ぬ)い付けておいてあげるという話が『法華経』に出てきます。
ところが貧しい友は、それに気づかず長いあいだ苦労を重ねて、何年ぶりかでその親友に会い、「きみが楽に暮らせるだけの宝石を縫いつけておいてあげたのに」と教えられて、ようやくそれに気づくのです。じつは、そのあいだの「大いなる艱難(かんなん)」こそが大切なのだ、と立正大学の浜島典彦(はまじまてんげん)先生は強調されています。
若いときは、とかく「自分はチャンスに恵まれない」「私には、いつまでもよい結婚相手が現われない」などと言って嘆くのですが、仏さまは、その人が本当に必要なときにそれを授けてくださるのです。授からないのは、自分にその準備ができていないからだ、と考えたらどうでしょうか。
機が熟さないと、せっかくの宝を与えられてもその真価が分かりません。すでに仏さまから頂戴(ちょうだい)している自分の内にそなわる尊い宝を磨きだす努力こそ大切です。
庭野日敬著『開祖随感』第11巻 154~155頁より