今日のことば

12/16 火曜日

カマラ大司教の夢

一九七八年の第一回国連軍縮特別総会での講演で、私は「人びとが心から希求することは、必ず実現する」という古い西洋の言葉を引用して、お話をしました。過日、第一回庭野平和賞を受けてくださったカマラ大司教が、日本を離れる前の晩のお別れ会で、それと同じ意味のことを話されて私は意を強くしたのでした。

カマラ大司教は、「多くの人間がひとつの夢を見ること、それが大切です」と話されました。表現こそ違え、それは私がみなさんにいちばん訴えたいことだったのです。

人間はみな自分の夢を抱きます。その夢は千差万別ですが、みんなが世界平和という同じ夢を心に抱き、その実現を心の底から願えば、その夢は必ず実現できると私は信じています。

そのような大きな夢を持って世界を行脚(あんぎゃ)されているカマラ大司教を、「理想主義者だ」と評する向きもありますが、そんな声にも同師は少しもへこたれず、「たとえそのあゆみは遅くとも、私は一歩一歩その夢に向かって進んでいるのです」と話されました。この大きな夢が、同師のエネルギー源なのでありましょう。

庭野日敬著『開祖随感』第6巻 268~269頁より
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