今日のことば

11/11 火曜日

教化(きょうけ)は「潤漬(にんし)」のように

佼成会がだんだん大きくなってくるにしたがって、どうしても組織が必要になってきます。一つの建物ができれば、当然、その管理のための人が必要になります。うれしい悲鳴といえば言えなくもありませんが、そのために、とかくお役所的になって、いわゆる組織悪的な感じが出てきてしまいがちです。

それと同様に、会員が増えればきめの細かい手どりが、どうしてもできにくくなってきます。一対一の教化というか手どりではなく、つい連絡に追われて、マンモス大学のマスプロ教育のようになりがちです。この点を、私たちは十分に留意しなければなりません。とくに、人の教化というものは、絵に描いたようにある日、突然に悟るというものではなく、根気よく手どりを続けることによって、だんだんに変わっていくものであって、時間がかかるものなのです。

お経の中にも「潤漬」という言葉が使われておりますが、これは、水が布に自然にしみ込むさまを表現する言葉で、教化もまた、そのようなものであると説かれております。

庭野日敬著『開祖随感』第6巻 12~13頁より
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