今日のことば
6/10 水曜日
定年からが本番
「定年とは、これまで乗っていた大きな船を降りて一人乗りのボートに乗り換えるようなものだ」と言う人がいました。これからは自分で方向を定めて、自分で漕(こ)いで進まなければならないわけで、定年後の生き方でいちばん難しいのは、そこのところかもしれません。
たとえば、これまで長年会社勤めをしてきた人の場合、これまで組織全体の中で自分の役割を果たす努力を長いあいだ積み重ねてきているわけです。そうした組織の中でのものの見方や価値観をいちど離れてみないと、そこのところの切り換えがうまくできないのです。いつまでも、「会社にいたときはこうだった」といった思いに引きずられて、新しい出発がなかなかできないのです。
会社の仕事だけを生き甲斐(がい)にしてきた人が急にそこから離れると、手応えを失って、自分の人生はいったいなんだったのだろう、とむなしさに襲われることが多いものです。しかし、そこから本当の自分探しが始まるのです。
「これこそ自分が全力で打ち込めるものだ」というものを見つける人生、まさに定年からが本番です。
庭野日敬著『開祖随感』第11巻 36~37頁より