今日のことば

9/12 木曜日

足りない自分の自覚

お釈迦さまのお弟子の周梨槃特(しゅりはんどく)という人は、師が説く教えの一偈(げ)をも誦(じゅ)することのできない人でした。自分の愚かさに落胆しきっている周梨槃特に、お釈迦さまは箒(ほうき)を与えて「私は汚れを払う」と毎日唱えるように教えられたのです。

その日から、周梨槃特は怠ることなく精舎(しょうじゃ)の清掃につとめ、あるときハッと自分の心の垢(あか)を除く大切さに気づいて悟りを開いたのでした。お釈迦さまは、「愚人の愚というはむしろ智者にて、愚人の智者と名乗るこそ真の愚者である」と周梨槃特を励ましておられます。足りない自分の自覚こそ大切なのです。

庭野日敬著『開祖随感』第1巻 152頁より
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