今日のことば

1/22 木曜日

残された時間

天竜寺管長の関牧翁(せきぼくおう)師は、八十歳になられて「人に悪口を言われても、どんな嫌なことがあっても、もはやそんなことを苦にしている時間がなくなってしまった」と、雑誌の対談で話しておられました。

日蓮聖人は「臨終の事を習ふて後に他事(たじ)を習ふべし」と教えられましたが、若いみなさんは、臨終のことまでとても考えられないと言われるかもしれません。しかし、たとえば明日、ガンの宣告をされたとしたら、どうでしょうか。

ちょっと人に言われたことで腹を立てたり、他人をねたんだり、損だ得だと息まいていたことが、なんの意味もなくなってしまいます。誤解や中傷などに振り回されている暇はないのです。

残された時間に何をしなければならないか、ぎりぎりまで突き詰めていくと、全力を振り絞って、今の瞬間を、今日一日を生きることがどんなに大切か、思い知らずにいられなくなります。お釈迦さまの教えは、生老病死を宣告された人間の生き方を示されたものです。そこがつかめると、どっしりと腰がすわってきます。

庭野日敬著『開祖随感』第7巻 96~97頁より
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