今日のことば

4/24 木曜日

相手を敬うのが下がること

「下がる」修行が佼成会の基本、いや仏道修行の基本といっていいでしょう。「下がりなさい、下がりなさい」と法座で耳にたこができるほど聞かされて、そんなことは造作なくできるように思うのですが、「足りない私で」と頭は下げても、少しも下がっていないことが多いのです。

自分が本当に下がれたかどうかをみるバロメーターは、人を心からほめられるかどうかです。いくら下がったつもりでも、人のアラばかりが目につくのは、自らを高くしている証拠です。お釈迦さまが仏の妙相を具(そな)えられたのは、「自高我慢(じこうがまん)」を取り除くことができたからだ、と経典に示されています。「下がる」とは、人の言いなりになることではなくて、自分と周囲の人たち、社会・世界との関係が見えてきて、それと一体になろうと真剣に努力することなのですね。

だれにも慕われる人付き合いの名人が、その秘訣(ひけつ)について「どんな相手にも丁寧(ていねい)に接し、心から相手をほめ、感謝を忘れないこと」と言っています。相手を本当に敬えるようになることこそ、「下がる」ことと言えましょう。

庭野日敬著『開祖随感』第8巻 214~215頁より
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