法華経のあらましと要点
嘱累品第二十二
値遇への感激と難事にいどむ喜び
嘱累というのは〈面倒を頼む、委嘱する〉ということです。前の《如来神力品第二十一》の最後に説明した付属ということと同じです。この品は、お釈迦さまが、すべての菩薩の頭をおなでになって、「この尊い悟りを後世に伝えるという一大事を、みんなに託したいのです。どうか、一心にこの法を説きひろめて、ひろくあらゆる衆生の利益を増進させてください」とお頼みになる章です。ですから、このことを古来〈総付属〉とよんでいます。
もちろん、菩薩たちはこのおことばをうけたまわって、この上ない感激をおぼえ、この難事にたちむかうことに喜びを感じ、固い決意を表明します。この〈値遇にたいする感激〉と〈難事にたちむかう喜び〉を、われわれ現代の菩薩もじっくりと心にかみしめなければなりません。それがこの品の最大の要点です。
再び霊鷲山へ
この品で、法華経の説法に大きな一段落がついたのです。どういう一段落かといいますと、仏さまの寿命が無量であることと、そのことを確信することの功徳を説くいちばん重要な部分がここで完結し、法華経のドラマの《理想(虚空)の場》が幕を閉じ、舞台はふたたび霊鷲山に降りて、《現実(霊鷲山)の場》となるわけです。
法華経のあらましと要点
無量義経
- 無量義経とは
- 徳行品第一
- 説法品第二
- 十功徳品第三
妙法蓮華経
- 序品第一
- 方便品第二
- 譬諭品第三
- 信解品第四
- 薬草諭品第五
- 授記品第六
- 化城諭品第七
- 五百弟子受記品第八
- 授学無学人記品第九
- 法師品第十
- 見宝塔品第十一
- 提婆達多品第十二
- 勧持品第十三
- 安楽行品第十四
- 従地涌出品第十五
- 如来寿量品第十六
- 分別功徳品第十七
- 随喜功徳品第十八
- 法師功徳品第十九
- 常不軽菩薩品第二十
- 如来神力品第二十一
- 嘱累品第二十二
- 薬王菩薩本事品第二十三
- 妙音菩薩品第二十四
- 観世音菩薩普門品第二十五
- 陀羅尼品第二十六
- 妙荘厳王本事品第二十七
- 普賢菩薩勧発品第二十八
仏説観普賢菩薩行法経
- 仏説観普賢菩薩行法経