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2001年06月06日 「国連北東アジア金沢シンポジウム」開催

北東アジアの平和と安定について話し合う「第7回国連北東アジア金沢シンポジウム」(主催・日本国際連合協会)が、6月6日から8日まで、石川県の金沢市文化ホールで開催されました。今回は、アジア・太平洋地域の7カ国から政府関係者や研究者ら37人が参加。本会からも一食平和基金運営委員会事務局次長、本部渉外課員の2人が出席しました。また、開催には、立正佼成会一食平和基金から200万円が支援されました。

このシンポジウムでは、今回、初めて「平和の文化と平和教育」について議論が交わされました。安田暎胤・薬師寺副住職(WCRP=世界宗教者平和会議=日本委員会非武装和解委員長)は、WCRPの取り組みを紹介しながら、1.暴力を否定し、衣食住の充足を図り、社会発展に向けて学問、技術、教育などを進歩、普及する 2.真理、理想を追求し、人間形成のために精神的諸活動を進める 3.戦争の放棄、人種差別の撤廃、難民救済、環境汚染への取り組みに尽力する、など、宗教者の立場から「平和の文化」の定義を発表しました。
国際連合協会の黒田端夫専務理事は、「国連が提唱している『平和の文化』に盛られた『暴力の拒否』に、国家の持つ自衛権や国連の行うPKO(平和維持活動)は含まれない」との考えを示しました。高橋眞司・長崎大学教授は自身の教育現場での経験を踏まえ、過去の戦争に対して責任を負うよりも、むしろ現在の平和にこそ責任を負うべき、と主張。「平和教育は、世代間、地域、国家間で互換性を持ち、自国中心ではなく歴史的事実を正確に学び、世界共通の未来を考えていくことだ」と力説しました。
一方、メディアの果たすべき役割として、高畑昭男・毎日新聞論説委員と孫東民・人民日報外信部次長の2人は、「事実に基づいて公正で客観的に報道し、文化の相互理解へ向けての仲介者となるべき」と、共通の認識を示しました。
このほか、シンポジウムでは安全保障や軍縮問題、朝鮮半島情勢、環境問題についても討議がなされました。

(2001.06.13記載)