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2001年12月12日 JENのアフガン支援、開始決定

アフガニスタン難民支援の準備を続けていた「特定非営利活動法人JEN」(立正佼成会など3団体で構成)が、今月末から現地で救援物資の配布を開始します。国連機関や現地のNGO(非政府機関)との調整により、支援の主な対象は、9月11日の米国同時多発テロ事件以降、米英両軍による空爆を恐れて難民、避難民となった人々にターゲットをしぼることになりました。「越冬支援」に重点を置き、厳しい寒さを乗り越えるための暖房器具や毛布などを配布します。

今回、JENがプロジェクトを行うのは、パキスタンのぺシャワール近郊にある難民キャンプとアフガニスタンの4つの州(カブール、ガスニ、ロガール、ワルダック)。
アフガニスタンは、20年以上に及ぶ内戦と近年の干ばつにより、約370万人の難民、96万人の避難民を生み出したと言われています(UNHCR調べ)。さらに米国多発テロ以降の一連の戦争により新たな難民、避難民が発生。JENが今回支援を行うのは、9月11日以降に、家を追われ、避難生活を余儀なくされた、特に、子ども、女性、高齢者、障害者など、社会的に弱い立場にある人々に決定しました。
パキスタンでのプロジェクトはUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の要請によるものです。主に「越冬支援」に重点を置いた活動を行います。現地は現在、厳しい寒さが到来し、昼夜の寒暖の差が激しく、氷点下に及ぶこともあるといいます。また、食糧や水も不足しているため、人々が餓死や凍死に追い込まれることも予想されます。こうした状況に対応するため、毛布や暖房器具、マットなど15万個の救援物資を配布することになりました。
配布活動は現地のNGO34団体と協力し、今月下旬から開始されることになり、パキスタンの首都イスラマバードに開設したJEN事務所、ぺシャワールの事務所では、日本人スタッフ3人とアフガニスタン、パキスタンで採用した2人のスタッフがプロジェクトの最終調整を行っています。
また、JENでは今後、アフガニスタンの首都カブールにも事務所を開設し、復興支援をはじめ、子どもや女性を対象とした「心のケア」中心のプロジェクトなど、中・長期的な活動を展開する意向です。先ごろ支援が決定した「アフリカへ毛布をおくる運動」の1万枚の毛布は輸送期間等を考慮し、2002年2月ごろに、配布される計画です。

(2001.12.12記載)