『イスラームを理解しよう――平和への対話と協力』と題し、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会青年部会は12月23日、東京・渋谷の東京ジャーミイ・文化センターでシンポジウムを開催、約270人が参加しました。
日本ムスリム協会、トルコ政府宗教省が管轄する「東京ジャーミイ・文化センター」との共催で開かれたシンポジウムでは、飯坂良明・聖学院大学学長がコーディネーターを務め、徳増公明・日本ムスリム協会副会長、東京ジャーミイ・文化センター副代表のセリム・ユジェル・ギュレチ氏、上田賢治・国学院大學名誉教授、眞田芳憲・中央大学教授の4人が、イスラームの教えや他宗教との相違点などについて話し合いました。
質疑応答では、参加者から「改宗、脱信はできますか」「異教徒との結婚は認められますか」「女性差別はありますか」など質問が寄せられました。セリム氏は、「イスラーム教徒になることは、個人と神との契約」と明示した上で、「改宗も脱信も自由です。神は人間自らが一番正しい生き方を選ぶことを望んでおり、信仰を強制するものではありません。女性に対しても、イスラームでは家庭を守ることが理想とされていますが、自分の立場を理解し、社会の安定に寄与するために社会進出するのであれば、それは歓迎しているのです」と述べ、教義を軸に、よりよい生き方を各自が決断していく主体性を重視している点を強調しました。
閉会のあいさつで、樋口美作・日本ムスリム協会会長は、シンポジウムがWCRP日本委青年部会の呼びかけで開かれたことに触れ、「日本の他宗教の方々とこうした行事を催すのは、初めてのこと」と、同青年部会の働きかけに謝意を表しました。さらに、「それぞれの宗教には違いがあります。だからこそ、平和に向けて対話と協力を進めることが大切なのだと思います」と述べました。
(2001.12.27記載)
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