米国同時多発テロ事件発生に伴い、昨年9月から立正佼成会が取り組んできた「多発テロ関連被災者救援募金」「励ましの手紙」の活動が昨年末をもって終了しました。多発テロ関連対策会議から発表された募金総額は、1億6579万9619円(1月7日現在)にのぼります。
寄せられた浄財は、WCRP国際委員会を通じて、アフガニスタン難民とニューヨークの被災者支援のために役立てられます。浄財のうち約5500万円は、昨年10月、すでに同委員会によって国連、ニューヨーク市に寄託されました。また、少年部員、学生部員らを中心に教会や各家庭でつづられた「励ましの手紙」は、5653通(1月10日現在)に達し、多発テロ被災地の子どもたちのもとに届けられました。
立正佼成会は、「同時多発テロ事件」発生直後、教団内に「多発テロ関連対策会議」(教団の全部長で構成)を設置し、事件への対応と被災者の継続的な支援を検討。「祈り」「募金」「励ましの手紙」を柱にテロ関連被災者への救援活動を展開してきました。テロの惨禍が二度と繰り返されないようにという深い祈りが教会や各家庭で捧げられる一方、「多発テロ関連被災者救援募金」の銀行口座が開設され、街頭募金やバザーなど活発な活動を通して、市民からも多くの篤志が寄せられました。
少年、学生部員による米国の子供たちに「励ましの手紙」をおくる活動も各地で進められました。
さらに、10月8日、アフガニスタンへの武力攻撃が始まったことから、対策会議ではより広範な救援活動のあり方が再検討され、『多発テロ関連被災者・難民救援と平和構築のための行動計画』がまとめられたのです。これにより、アフガン難民・避難民救援への取り組みが本格化し、財的支援の必要性などが打ち出されました。対策会議は街頭募金用のチラシなどを用意し、希望教会に配付しました。
10月には、庭野日鑛会長の訪米に際し、全国会員を中心にした献金と、一部、街頭募金の集計、50万ドル(約5560万円)をWCRP国際委員会へ寄託。「励ましの手紙」(第1次締め切り分)約4000通が米国の子供たちに届けられました。
このほか、各教会の大学生をはじめとする学生部員ら約1000人は12月24日、アフガン難民救済を目的に、全国約100カ所で街頭募金を実施しました。
全国の会員の皆さま、この度はたくさんの真心を寄せて頂き、誠にありがとうございました。
皆さまご存じのように、本会には紛争、災害などの緊急事態に対応する基金として、「一食平和基金」が設けられています。しかし今回は、事態の重大さを踏まえて「多発テロ関連対策会議」を設置する中で、傷ついた人々に対し「直接行動を起こし、支援したい」という会員の皆さまの声を受け、「多発テロ関連被災者救援募金」と「励ましの手紙」を募らせて頂くことになりました。
各教会では、慰霊と平和を念じた深い祈りが捧げられると共に、さまざまな形で募金活動が展開されたと伺っております。年末には大学生によって、全国一斉に街頭募金も実施されました。小・中学生、高校生を中心に寄せて頂いた「励ましの手紙」も、大変意義の深い活動だと思います。皆さまの心温まるメッセージが現地の方々を勇気づけたという報告も頂いております。「何かお役に立ちたい」という皆さまの純粋なお心と、それをすぐさま行動に結びつける力には、本当に頭の下がる思いがいたします。また、ご協力くださいました市民の方々にも、あらためてお礼を申し上げさせて頂きたいと思います。
多発テロ事件発生直後、会長先生はいち早く談話を発表されました。さらに、10月末にはニューヨークを訪れ、WCRP主催の『世界の諸宗教指導者による国際シンポジウム』に出席され、30カ国の宗教リーダーと共にテロ事件、アフガン攻撃への対応を討議されました。
私は今、こうした事態に対し、宗教者として迅速に対応することの大切さを、強く実感させて頂いております。同時に、開祖さまのご偉業、ご遺徳に、あらためて感謝をせずにはいられません。開祖さまの意思を受け継がれた会長先生、そして会員の皆さまの祈りと行動。そして、WCRPという組織が存在していたからこそ、世界の諸宗教指導者たちがいち早く集い、平和構築のための働きをすることができたと思うからです。
アフガンではなおも予断を許さない状況が続いており、問題は解決したわけではありません。市民生活の支援や復興など多くの課題も残されています。今こそ、諸宗教者のより強い結束が必要であることはいうまでもありません。
会員の皆さまにおかれましても、今一度、平和の尊さというものを見つめ、それを多くの人々にお伝えして頂きますよう、また「一食を捧げる運動」をはじめ、平和構築のための祈りと行動を今後も続けて頂きますよう、心からお願いする次第であります。
(2002.01.17 記載)