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2002年02月14日 WCRP日本委員会が『地球環境の危機』をテーマにシンポジウム

政界、財界、学術界の各界と宗教界の対話を通して、地球環境問題について学ぶ「地球環境問題シンポジウム(環境対話集会)」(WCRP=世界宗教者平和会議=日本委員会開発・環境委員会主催)が、2月14日、セレニティホールで開催されました。

シンポジウムのテーマは『地球環境の危機』。WCRP加盟団体などから約200人が参加しました。平和の祈りに続いて、白柳誠一・WCRP日本委員会理事長が開会のあいさつ。環境問題に関するビデオの上映に続いて、高坂節三・栗田工業顧問、山本良一・東京大学国際・産学共同研究センター長、西田多戈止・一燈園当番がそれぞれ基調講演に立ちました。
その中で高坂氏は、米州駐在員時代を振り返りながら、コロンブスによる新大陸発見(1492年)以来の人類の歴史と環境問題を関連づけて解説。その上で、「現在、人口、エネルギーの消費は加速度的に増えています。人類は産業革命以降、石油や石炭、天然ガスなど再生不能と言われている資源を大量に消費し、生態系を破壊し続けてきました。温暖化など現在の状況は、近代文明が自然からしっぺ返しを受けている状態です」と分析しました。
山本教授は、科学者の立場からデータに基づいて人口爆発や地球温暖化の現状について説明。「人間は快適な生活を求めて限りなく欲望を追求してきましたが、こうした状況は放置できません。地球、自然、環境が有限だということを知らないといけないと思います」と警鐘を鳴らし、一人ひとりが地球環境を考えた生活を送ることの重要性を訴えました。
一方、西田師は、宗教者の立場から「これまで我々は人間がどう生きるかということを考えてきましたが、これからは、自然は人間に対してどう生きろと言っているのか、を考えることが大切です」と語りました。
このあと、上杉千郷・鎮西大社諏訪神社名誉宮司(同開発・環境委員会委員長)をコーディネーターに、パネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションでは、高坂氏が「自然の中の一つが人類であるという考え方に立つことが重要です」と指摘。山本教授も「人類は現実の前に謙虚になることが大切」と述べました。西田師は、環境問題を1000年先にまで影響を及ぼす問題とした上で、「今、生きている私たちに大きな責任があります。自然への感謝を忘れず、行動していくことこそ重要です」と語りました。

(2002.02.21記載)