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2002年05月10日 故・長沼基之特別顧問の最後の著書発刊

立正佼成会の長沼妙佼脇祖は、庭野日敬開祖と共に本会を創立し、正法の証明役として会員を教化しました。その教えや人柄、信仰者として生きる姿を後世に伝える『慈悲の歩み 脇祖さまのご生涯』が5月10日、佼成出版社から発刊されます。長沼脇祖の甥であり、本会草創期から身近に接してきた長沼基之特別顧問が著した最後の書となります。本書には、著者にしか知りえなかった事実が随所に登場し、草創期の史実、本会の伝統を伝えると共に、「いのちの尊さを知る」「無条件に相手を思いやる」という仏教の神髄が書かれています。「脇祖さま」の人物像と信仰を知る上で至高の書となるに違いありません。

本会では、平成12年9月の「脇祖さま祥月ご命日」に、庭野会長から長沼脇祖に「脇祖妙佼慈道菩薩」のご法号がおくられました。ご法号は2001年から全国教会・布教拠点にまつられ今日に至っています。これによって、本会会員は本仏釈尊に帰依し、庭野開祖と長沼脇祖の両祖を仰ぎつつ共々に修行するという信仰姿勢が打ち出されました。
著者の長沼特別顧問は、ご法号がおくられたのを機に、長沼脇祖の人物像や信仰姿勢を後世に伝えることを決意。遷化(1957年)から45年を迎えようとしている中で、これまで書き留めていたメモや機関誌紙などを基に、執筆を開始しました。
この時の気持ちを著書の『はじめに』で、『私は次世代の会員さんに脇祖さまの歩みをきちんとまとめさせていただくことが、脇祖さまの甥として身近に暮らし、また、立正佼成会理事長の大役を拝命してご指導を頂戴した私に課せられたお役ではないだろうか』と述べています。
長沼脇祖は1889年、埼玉・志多見の出身。5歳で母親を亡くし、小学校を2年で中退、奉公に出ました。生来の働き者で結婚後は経済的に恵まれましたが、愛娘を失い、その後離婚。1936年からは、自身の経営する甘藷卸小売店に奉公にきた著者の親代わりとして共に暮らしました。
身近に過ごした長沼脇祖を見る著者の視点は、人間を見る温かさと、師を仰ぐ信仰心に貫かれています。長沼脇租が庭野開祖からお導きを受け、本会を創立した経緯や法座の誕生、神示の内容、ご遷化された当時のようすもくわしく記載。人を救わずにはいられない長沼脇租の生き方と共に、読者が本会草創期の歴史をも味わえる内容になっています。
また、先祖供養を通していのちの尊さを説く当時の庭野開祖の指導や、とりわけ"厳愛の二法"といわれた長沼脇租の指導、会員との触れ合いは、立ち居振舞いや声ばかりか、昭和初期から中期にかけての風景さえも彷彿とさせます。
さらに、身近に暮らしただけに、著者にしか知りえない事実も盛り込まれ、庭野開祖の直子夫人はじめ家族が新潟・菅沼に疎開した時期に、長沼脇租が定期的に物心両面で援助していたことを紹介。著者は『おそらく、開祖さまも周囲の幹部さんも知らなかったこと』と述懐しています。
本書は四六判上製で288ページ。定価1300円(税込)。申し込みは各教会文書布教部長、または支部文書責任者まで。個人的に申し込む場合は、電話 0120-323-766 FAX03-5385-2336(佼成出版社ダイレクトサービス)まで。

(2002.04.24記載)