『アジアの調和』
スワミ・アグニヴィシュ
(国連奴隷現代フォーラムファンド議長)
人と人、またグループ間での争いを解決するためには、自己批判の精神が必要です。自己責任を取らず、他に責任転嫁したり、環境や状況の所為にしていたのでは、和解は訪れません。
宗教間の和解は、その他の組織間の和解よりも困難です。和解を達成するためには、互いの違いを尊敬し合い、多様性を受け入れ、他に対して寛容であり、自己の謙遜が必要です。
宗教の世界で最も非難されるべき点は、暴力の正当化です。いかなる聖戦も、流血の事態になったとき、それは暴力となります。和解は、自己の利益よりも相手の利益を優先することでのみ可能となります。
アジアは、世界を和解に導くことのできる大きな可能性を持っています。そのためには、次のような基本的な要素が求められます。
(1)国や地域のという枠組みの中の分裂的、狂信的信仰ではなく、地球規模の霊性を展開させる(2)物質主義、軍国主義を明確な言葉で非難する(3)分裂的な考え方、特に復讐を説き実行する思想や団体の不信任(4)宗教指導者たちを再教育するプログラムの展開(5)地球規模の家族意識の発展
最後に、いままでは男性的思考が主でした。しかし和解には、女性的な思考をより多く取り入れていく必要があることを強調したいと思います。
『世界の宗教的分裂の中での探求』
シャフイ・マリーフ・ムハマディア運動会長
(インドネシア)
今日、宗教は少しずつ力を失い、近代化の波を克服するのが難しくなっています。キリスト教はおおよそこの波を乗り越えてきましたが、そのほかの宗教、特にイスラム教は近代化への適応ができていません。
近代化は経験主義、実力主義、合理性に基づいています。南西アジアのイスラム教国は日本や韓国から多くを学べるでしょう。ここですべての宗教が警鐘をならすべきことは、数100年にわたって探究心をなくすことになった宗教革命のときのような虚無主義の波に襲われる可能性であります。虚無主義は、モラルや人間の尊厳性を失わせるのです。
宗教がこの状態を避け、意義ある形で生き残るためには、教義や歴史の違いを超えて宗教協力をする以外にありません。さもなければ虚無主義が地球を覆い、家族の絆や社会の団結はなくなるでしょう。精神的モラルも崩壊し、孤独が広がることになります。
このACRP6が、将来の人々をモラルと精神の崩壊から守るための意義深い会議となることを切に希望します。
(2002.07.03記載)
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