ACRP6の会期中には、インド・パキスタン、東ティモール、朝鮮半島など緊張状態にあるアジア諸国の宗教者が一堂に会し、和解のために議論、交流の機会を持ちました。
<インド・パキスタン>
一触即発の緊張状態が続く両国の宗教者が大会に顔をそろえました。両国政府とも核兵器使用の可能性に言及しているだけに、「軍縮と安全保障」の研究部会では、両国の宗教者間で白熱した討論が展開される場面も見られました。
しかし、平和を希求する宗教者としての前向きな交流が実を結び、大会中、両国の宗教者によって「我々は共にACRP6に集う者として紛争の平和的解決を両国政府に求める。武器による解決は一時的なもので長続きしない。許し、悔い改め、信頼こそが永遠に続く平和の道である」とする共同宣言文が発表され、両国宗教者間の友情が確認されました。
<東ティモール>
WCRP日本委員会主催夕食会の席上、同委員会の青年部会、婦人部会から、建国間もない東ティモールの宗教者にサッカーボールとバレーボール、シューズが贈呈されました。
昨年1月、青年部会のメンバーは紛争で荒廃した同国を訪れました。そこでメンバーが目にしたのは、裸足で穴だらけのサッカーボールを必死に追う子供たちの姿でした。<笑顔を失いかけた子供たちに希望を与えたい>。メンバーの切なる願いがこの日の贈呈につながりました。日韓ワールドカップの公式ボールと同型のサッカーボールを受け取ったジュビット神父は、「ボールに込められた皆さんの愛と平和と友好のメッセージを東ティモールのすべての子供たちに伝えたい」と述べ、謝意を表しました。
<朝鮮半島の同胞たち>
「和解のための祈り」と題する合同の祈りの席上、南北に分断された朝鮮半島の宗教者が一緒に壇上に上がりました。韓国と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)両国の宗教者は、祖国の統一に向けてこれまで地道な交流を重ねています。そうした交流の様子がスライドで大きく映し出される中、両国の宗教者は朝鮮半島の平和的統一と世界平和を願い、共に祈りを捧げました。
各国の文化を紹介する交流プログラムでは、両国の宗教者が肩を組み合い、朝鮮の伝統民謡を歌う場面も見られました。
(2002.07.03記載)
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