立正佼成会一食平和基金の合同プロジェクトとして、エチオピア・ティグレ州での植林活動に参加するため、7月7日に日本を出発していた「植林ボランティア隊」(主管=外務部・青年本部、隊長=有路誠市郎泉州教会長)の一行22人が、現地での活動を終え、20日、帰国しました。
エチオピアは、60年前には国土の40パーセントが森林に覆われていましたが、現在ではわずか1パーセントにまで激減しました。1975年から17年におよぶ内戦、98年から2000年まで続いた隣国エリトリアとの紛争、83年以降度々発生した干ばつと森林伐採などが影響したものです。
こうした森林破壊に対し、本会は93年、同国・ティグレ州にあるNGO(非政府機関)、ティグレ救援協会(REST)が行う同州サムレ・シャルティ村での植林活動の支援を開始しました。立正佼成会一食平和基金による支援は、今年10年目を迎え、これまでに約800万本の苗木が植えられました。ボランティア隊の派遣も今回で6回を数えます。一行は9日、州都・メケレにあるREST事務所を訪問。モリゲータ・ベルハヌ・環境保全農業部長からティグレ州の現状やRESTの活動概要、エチオピアの国情について説明を受けました。
翌10日は、3台のジープに分乗し、60キロ離れた同村へ移動し、RESTのスタッフとともに「アフリカへ毛布をおくる運動」で現地におくられた毛布の配布・活用状況を調査するため、キャンプ地に近い村民宅3軒を訪問。毛布が大切に使われている様子を確認しました。続く11日には、植林用の苗の栽培場を見学に訪れ、0.8ヘクタールの苗床で育てられているユーカリ、アカシヤ、チャイナスモレなどの苗木16万5000本の様子を視察しました。
12、13の両日は、キャンプ地から車で20分の距離にある同村アジスアレム地区で、同ボランティア隊の目的である植林活動を展開。同地区に暮らす村人約150人とともに、高さ250メートルの山を登りながら約2000本のユーカリの苗木を植えていきました。
植林を終え、隊員の1人は「1本1本の苗木をとても大切に扱っている村の人の姿が印象的でした。大地に植える時には何か思いを込めているように見え、私もこの苗木がどこまでも大きく育ってほしいと祈りながら植えさせて頂きました」と感想を語りました。
一方、この日作業に加わった村人のウェルデ・ブラハン・ディサレ君(10)は、「皆と一緒に木を植えられてうれしかった。この木が早く大きくなってほしい」と話しました。このほか、隊員たちは、13日にRESTが現地で展開している蜂蜜栽培や用水施設を訪問。翌14日には、3年前に完成し、9月から翌年6月までの乾期に約200㌶の農地に水を供給できるという貯水量300万立方メートルのダム施設を視察しました。
このあと一行はイタリア・ローマに向かい、国連世界食糧計画(WFP)事務局を訪問。ビデオや3人の職員による説明を通して、世界の食糧事情や同機関の役割について学びました。
(2002.07.24記載)
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