WCRP(世界宗教者平和会議)の韓国国内委員会であるKCRP(韓国宗教人平和会議)主催による「広島平和ツアー」の青年一行43人が8月4日から7日まで、広島市を訪れました。ツアーの目的は、原爆の被害、脅威を肌で感じ、核兵器廃絶や平和への願いをより強くするとともに、日本の宗教青年との交流を通じ、両国の友好を深めることです。一行は、平和記念資料館の見学や慰霊供養ほか、本会広島県下5教会の青年部員との交流、会員宅でのホームステイなどを行いました。なお、今回の訪問は、特定非営利活動法人「HRCP(ヒロシマ宗教協力平和センター)」の受け入れのもと実施されました。
一行は5日、平和記念資料館を見学後、NPOセンターで行われた「宗教青年平和セミナー」に参加。広島県5教会の青年40人と対話や交流を重ねました。
同セミナーではまず、青年会員代表と圓仏教の代表が『アジア和平のための日韓宗教青年の役割』をテーマに基調発題を行いました。青年会員は高校の修学旅行で韓国を訪問した体験に触れながら、韓国の若者が自国の歴史に詳しい一方で、日本では両国のこれまでの関係をよく理解していない若者が少なくない状況を指摘。サッカーW杯の日韓共催が成功したこともあり、互いをより理解するための努力が必要だと強調しました。さらに、「日本軍がアジアで行った非人道的な行為を知り、同時に核戦争の恐ろしさを学ぶことが大切。そのことによって広島から平和を訴えていく価値が高まる」と述べました。
一方、リーさんは、新貿易制度、市場経済優先のグローバル化の中で、貧富の差が拡大し、貧困による争いも増えている世界の状況に触れました。しかし、人間は本来、貧困や紛争に苦しむ人を助け、平和や善を志向する「本性」を持っていると説明。「平和な世界は、人間の本性の復活なしにして、政治や経済制度の刷新だけでは決して叶えることはできません。エゴイズムや欲望に満ちた個人主義をなくす努力が必要です。その新しいビジョンを韓国と日本の宗教青年が共に作り、示していくことが重要」と訴えました。このあと、質疑応答が行われ、両国の宗教事情などについて、意見が交わされました。
翌6日午前、一行は平和公園で行われた「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」に参列。続いて、「韓国原爆犠牲者慰霊碑」を参拝し、圓仏教の儀礼により慰霊供養を行いました。また、平和へのメッセージを記した折りヅルを原爆ドームに捧げました。
午後からは、広島県立生涯学習センターで「ピースフォーラム」を開催。松原通雄・外務部長から本会の教えや平和活動について説明を受けたあと、ビデオ『ヒロシマ母たちの祈り』を観賞しました。次いで、在日韓国人で語り部の郭福順(カク・ボクスン)さんから被爆体験を聞きました。
夕方からは、広島、北広島、呉の3教会の会員宅に分かれ、ホームステイを実施。日本文化や会員の信仰生活に触れ、互いに親交を深めました。
(2002.08.14記載)
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