2001年次の「ゆめポッケ・キッズキャンペーン」で全国から寄せられたポッケの配布国ならびに配布の状況が、このほど同運動推進事務局から報告されました。2001年に集められた5万6870個は、旧ユーゴスラビア地域、英国・北アイルランド、レバノン、パレスチナ(ガザ地区)、アフガニスタンの子供たちに手渡されました。同推進事務局は、アフガニスタンを除く各国の協力団体から寄せられた配布状況や子供たちの声など、現地の詳細についてのレポートを報告書にまとめました。
報告書によると、5万6870個の配布先の内訳は、旧ユーゴスラビア地域・セルビア共和国に9872個、北アイルランドに3196個、パレスチナ・ガザ地区に1万9675個、レバノンに1万8822個、アフガニスタンに5305個となっています。セルビア共和国では、本会も加盟する「特定非営利活動法人・JEN」のベオグラード事務所スタッフを中心に配布先の選定や配布作業を実施しました。紛争終結から7年たったセルビアは、復興が急速に進んでいます。JENの活動も難民支援から障害者や孤児などの支援活動に移行しつつあります。今回の配布は障害者施設や孤児院などを対象に行いました。
JENの報告によると、旧ユーゴスラビア地域では「ゆめポッケ」の存在が広く知られており、心待ちにしている子供が多く、障害者施設からは特に喜ばれたといいます。イスラエル軍との衝突が続いているパレスチナ自治区のガザには、2002年1月中旬にポッケが到着、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)が11カ所の小・中学校で配布を実施しました。現地からのレポートには、『パレスチナの子供たちのことを忘れないでください。そしてイスラエルの占領下で生きている子供たちを支援してください』などと綴られた子供たちの手紙が添付されています。
レバノンでは、UNRWAによって配布対象の選定および配布作業が行われました。祖国を追われ、40年以上も厳しい難民生活を強いられているパレスチナ難民の小学生、幼稚園児にポッケが手渡されました。特に劣悪な状況下にあるシャティーラ難民キャンプからは、『皆さんの努力は、子供たちの小さな心に喜びと幸せをもたらしてくださいました」とお礼のメッセージが寄せられました。
カトリック系住民とプロテスタント系住民間で争いや差別が続いている北アイルランドでは、双方の和解に努めているコリメーラ共同体が配布を行いました。先ごろ現地の小学校から同推進事務局宛てに『ドリームバッグ・ア・フロム・リッショウコウセイカイ』と題したアルバムが届きました。子供たちの喜びの表情を収めた64点の写真は、現地でのポッケ配布の様子をつぶさに伝えています。また、ポッケは、2001年9月11日の同時多発テロ事件以降、米英両軍による武力攻撃によって厳しい状況に置かれたアフガニスタンの子供たちにも届けられました。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が現地での調整を行ってきました。今後、配布状況についてレポートが届けられる予定です。
(2002.11.13記載)
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