バチカン諸宗教対話評議会は1月16日から18日まで、ローマ市内で『平和のための諸宗教が有する霊的資源』国際会議を開催し、15カ国から8宗教の代表者38人が集いました。日本からは、浄土宗総合研究所の戸松義晴・専任研究員と庭野平和財団の野口親一事務局長が招待を受けて参加しました。
野口事務局長は、18日に開催された公開シンポジウムでスピーチし、庭野平和財団の創立精神、同財団創設者である庭野開祖の仏教による平和への道、法華経に基づく平和観、財団の諸活動などを紹介しました。
またスピーチの中では、同財団が、中東、スリランカ、北アイルランド、韓国、メキシコにおける紛争の終結と和解を模索するため、同地域からの過去の庭野平和賞受賞者を日本16、17の両日には、「平和に関する霊的資源の源泉としての経典」についての代表者会議が開かれ、各宗教の指導者が自宗の経典を引用しながら、暴力、聖、正義等の問題を検討しました。
また公開シンポジウムの席上、マイケル・フィッツジェラルド・バチカン諸宗教対話評議会議長は、「9月11日の出来事(米国多発テロ)が諸宗教対話と諸宗教の平和活動の緊急性を強調した」と述べ、昨年1月にアッシジで開催された「世界平和祈願の日」式典に言及しながら、今回の会議開催に至った経緯を説明しました。
このほか、ワシントン大司教のテオドール・マッカーリック枢機卿は、「平和のための諸宗教――米国の視点」と題して講演。パレスチナ人でイスラエル政府が出国を拒んだエルサレムのマイケル・サバ大主教は、「平和のための諸宗教――エルサレムと中東」とのスピーチ原稿を現地から送り、会場で代読されました。
発表された宣言文では、「諸宗教協力は、オプションではなく、必要性あるものである」とし、諸宗教にとっての平和のための霊的資源として、「各宗教の経典と伝統(とその正しい解釈)」「解釈の仕方によっては他宗教を誤解させると考えられるような自宗経典の部分に関する再検討」「諸宗教の出会い」などが挙げられました。
(2003.01.31記載)
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