WCRP(世界宗教者平和会議)国際執行委員会(WCRP国際委員会事務局・ニューヨーク、ウイリアム・ベンドレイ国際委事務総長)は2月14日、『イラクにおける危機:全人類的な安全保障、誰もが負う責任、そして協力行動の必要性』と題する声明を発表しました。声明では、現今のイラク危機を憂慮し、「テロリズムや大量破壊兵器の保有、紛争、人権侵害などの脅威を克服するために、国際社会は道徳規範と法的根拠に一致する形で団結しなければならない」とした上で、イラク政府、国連安全保障理事会(安保理)を中心とした国際社会、宗教者などそれぞれの責務、役割に言及しています。
WCRP国際執行委員会は声明の中で、イラク政府が担っている同国民と国際社会に対する責任を指摘。その攻撃的な態度をあらため、大量破壊兵器を破棄するとともに、脅迫や剥奪のない平和で安全な生活を希求する国民の願いを尊重するよう訴えています。
さらに、国連安保理を、イラクに決議を遵守させる法的資格を有する唯一の組織であると認め、その使命遂行を要求。いかなる国家、グループも同安保理の決議を無視した行動をとることはできないと主張します。その上で、「イラクに対する攻撃は死傷者を含む直接的な損害だけでなく、長期にわたり罪なき人々を苦しめ、地域を不安定にし、危険な過激派的傾向を助長する可能性がある」とし、危機に対してあらゆる平和的解決手段を尽くすよう、同安保理に促しています。
また、同執行委は、「誰もが認めることのできる道徳規範と法的根拠にのっとって、全人類的、地球規模の脅威に関与していくことは、すべての人々と国家の責務」と言明。「宗教を過激主義と暴力の増長に悪用することを否定し、正義を伴う平和のために協力していくことは、諸宗教共同体のメンバーであるわれわれの責務である」と声明を結び、WCRPに課せられた使命、役割を果たしていく決意を表明しています。
(2003.02.21記載)
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