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2003年08月24日 「人間と科学研究学会」が第15回研究大会を開催

『21世紀を生きる智慧を求めて』をテーマに、中央学術研究所が後援する「人間と科学研究学会」(会長=牧野亮哉・福井大学教授)が8月24日、東京・中野区の中野サンプラザ8階研修室で「第15回研究大会」を開催しました。関係者など63人が参加しました。

大会では「環境問題」「少子高齢問題」の2つの研究会が、それぞれ発表を行いました。小池俊雄・東京大学教授は、3年間にわたる環境問題研究の経緯を報告した上で、「環境問題はこころの問題」と明示。深刻化する環境問題を認識する人々が増加する一方、行動につながらない現状の中で、「環境にかかわる倫理意識が自発的に湧きあがるような人材を育成する教育が大事」と提示しました。このあと、『環境教育の基本理念を求めて』と題し、教育から期待できる心の変容、具体的な環境教育のあり方などについて、3人が研究発表を行いました。
続いて、「少子高齢問題研究会」の3人が、高齢者の心身の健康を維持するという視点から研究を発表しました。添田佳伸・宮崎大学助教授は、老化防止に数学講座の導入を提案。遠藤浩正・同研究所客員研究員は、『高齢者の健康福祉に関する諸課題について』をテーマに、老齢に伴う高齢者の外的・内的変化について解説しました。大坪宏至・東洋大学教授は、『高齢者の社会活動のあり方』と題し、60代から90代の男女568人を対象に実施した調査結果を報告。高齢者の多くが社会貢献への意欲を持っている半面、若年層を基準とした社会活動の参加に消極的になっていること、地域に「木陰」や「ベンチ」といった憩いの場を求めていることなどを発表しました。

(2003.09.05記載)