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2003年10月31日 一食・教区教会プロジェクト進む

立正佼成会一食平和基金が新たな試みとして進めている「教区・教会一食平和基金運営プロジェクト」のモデルに選ばれた教区・教会の活動が本格化しています。市民を対象とした「一食を捧げる運動」の啓発・推進活動をはじめ、海外での教育支援など、青年部員を中心に活発な運動を展開。すでにプロジェクトが進行している千葉、中部の2教区、足利教会の取り組みを紹介します。

教区・教会が主体となって、「一食を捧げる運動」で集められた浄財を独自に運営・活用するプロジェクトです。第9次教団基本計画の「布教伝道に資する会員参加型の平和・社会活動の推進」に基づいて実施されています。同プロジェクトの目的は、1.「一食を捧げる運動」のさらなる推進を図るとともに、会員がより主体的となって平和・社会活動を実践していく、2.一食平和基金の運営を通し、顔の見える活動や出会いという社会布教をする中で、自らの信仰心の醸成につなげていく、3.教区・教会における平和・社会活動を担う人材育成を行う、の3点。活動には、プロジェクトに携わる教区・教会が取り組む「一食を捧げる運動」の浄財が、「立正佼成会一食運営委員会」の審議を経た上で充てられます。一食運営委員会では、同運動へのこれまでの取り組みなどを考慮した上で、これまでに千葉教区、中部教区、足利教会、金沢教会を「モデル教区」「モデル教会」に選定しました。

【足利教会の一食運動】
足利教会はカンボジア・プレイヴェン州のピエリアン村に今年8月、小学校を建設しました。8月8日には開校式が行われ、青年部員ら22人が現地でのセレモニーに出席しました。同教会では平成11年から各支部の青年部員が推進委員となり、平和学習会などで意識を高め合いながら「一食を捧げる運動」を展開しています。昨年6月、久保田光英教会長が地域在住のカンボジア難民、オク・ビチェイ氏と出会ったことをきっかけに、青年たちは同国での学校建設に取り組むことになりました。
同国では1970年のクーデター以降、ポル・ポトが独裁政権を確立。約200万人の市民が強制労働や虐殺によって絶命したといわれています。93年に新国家が誕生しましたが、それまでの独裁や内戦によって家族を奪われた子供たちは、教育も受けられずに今なお貧困生活を送っています。同教会は本会一食平和基金運営委に、推進プロジェクトとして同国での学校建設を申請し、承認を得ました。
8月8日の開校式では、村代表の子供たちがあいさつに立ち、ビチェイ氏をはじめ青年たちに向かって「親孝行をして元気な子になります」と語りました。また日本語で「アリガトウ、ゴザイマシタ」と述べ、笑顔で謝意を表しました。ピエリアン村の児童数に比べ、教室の数はまだ不足しています。同教会では来年以降、新たな校舎建設に着手する意向です。

【千葉教区・タイでの一食ボランティア活動】
千葉教区は、9月19日から23日までタイ西部を訪れ、「農村部初等教育プロジェクト」を実施。教区代表のボランティア隊員35人(団長=山本宜亮・松戸教会長)が参加しました。同教区では1994年に、教区全体で1万枚の毛布を集めたことをきっかけに、平和活動に力を注ぐようになりました。96年、平和活動推進を目的として、「千葉教区平和推進委員会」が発足。2001年に名称を「一食平和推進委員会」に改め、各教会で学習会を行うなど意識の高揚に務めてきました。今回、同委員会は東南アジア農村部での初等教育支援を行うことを決定し、本会バンコク支部の布教員と調整を重ねた上で、プロジェクトの準備を進めてきました。
一行は、現地でバンコク支部の青年部員ら約20人と合流し、少数民族が多く生活するタイ西部ラッブリー県スアン・プーン郡プーラカム地区を訪問。老朽化が進む同地区の公立小学校2校で校舎の改築作業を行ったほか、各教会で集めた学用品を子供たちに贈呈しました。青年部員の一人は、タイの貧困地域の現状を視察し、「この子供たちのために、より一層、一食運動に力を注ぎたい」と語っていました。

【中部教区(岐阜教会・三重教会)「一食を捧げる運動推進の集い」】
中部教区は9月21日、岐阜、三重の2カ所で市民らを対象とした「一食を捧げる運動推進の集い」を同時に開催しました。同教区では1997年から大学生が中心となり、市民に向けて一食運動を啓発することを目的に「一食を捧げる運動推進の集い――ピースステーション」を開催してきました。本年次は同運動の精神や使途などをより具体的に市民に理解してもらおうと、愛知、岐阜、三重の3県で同基金の支援団体代表者による報告会を企画しました。
9月21日、岐阜県の4教会(岐阜、大垣、高山、中津川)は、JR岐阜駅構内の岐阜アクティブGで「一食を捧げる運動推進の集いinぎふ2003」を開催。会員、市民合わせて144人が参加しました。VTR『一食にめぐりあう旅』の上映に続き、篠原祥哲外務部スタッフが同運動の歴史や意義を説明。このあと木山啓子・特定非営利活動法人ジェン(JEN)事務局長がイラクでの支援活動を報告しました。
三重県5教会(津、四日市、鈴鹿、桑名、松阪)も同日、四日市市内のあさけプラザで、「一食を捧げる運動推進の集いinみえ」を開催、会員、市民ら約400人が参加しました。実践報告に続いて、熊岡路矢・日本国際ボランティアセンター(JVC)代表理事が講演。ビデオとスライドを交え、同団体の活動概要とイラクでの復興支援活動の様子を紹介しました。
なお、愛知県は11月8、9の両日、名古屋市内でも講演会を行う予定です。

(2003.10.31記載)