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2004年02月13日 20周年を迎えた「アフリカへ毛布をおくる運動」

「アフリカへ毛布をおくる運動」(主催・同運動推進委員会)が今年も全国各地で実施されます。1984年、未曾有の大干ばつに見舞われたアフリカの人々を救うための緊急支援として実施された同運動は、今年20周年を迎えました。この間、本会では、アフリカについて理解を深めるとともに、現地の安寧と人々の幸せを願い、祈りを捧げてきました。また、毎年、会員が中心となり、市民への協力を呼びかけてきました。今年、同運動のキャンペーンは例年よりも1カ月早い4月1日にスタート。5月31日までの2カ月間、全国各地で活発な啓発、収集活動が展開されます。

【概要詳細】

【毛布収集キャンペーン期間】
4月1日(木)~5月31日(月)※最終日倉庫必着

【テーマ】
皆一つのいのちの中に生かされている。だからこそ、つなぎ合い、認め合い、互いに支え合っていこう

【目的】
1.アフリカ諸国の毛布のニーズに応え、彼らの苦境を少しでも和らげるお手伝いをさせて頂くこと
2.広く一般市民に呼びかけ、菩薩行実践を共にさせて頂くことによって「同悲」「同苦」「分かち合い」の精神を互いに培う

【毛布の規定】
新品の毛布以外は必ず洗濯して提供。毛布以外の物(古着、布団、夏がけ、こたつがけ)や綿毛布、穴の開いた毛布、古く汚れた毛布、幼児サイズの毛布は受け付けない

【毛布輸送金】
毛布1枚につき900円 郵便局口座「アフリカへ毛布をおくる運動事務局」00110―6―351756 協力金締め切り 8月31日

【毛布送付先】
「日通大黒毛布係」〒230-0054 神奈川県横浜市鶴見区大黒埠頭15番地 日本通運株式会社大黒国際貨物センター TEL045(503)2222 ※土日祝日は閉鎖

【配布対象地域(予定)】
エチオピア、エリトリア、ウガンダ、マラウイなど

【アフリカへ毛布をおくる運動推進委員会】
1. 構成団体 アフリカ協会、AMDA、JHP・学校をつくる会、日本国際ボランティアセンター(JVC)、立正佼成会
2. 後援団体 外務省、国連広報センター、国連世界食糧計画日本事務所、国連難民高等弁務官日本・韓国地域事務所
3. 協力団体 日本通運株式会社

【音声自動案内による問い合わせ】
TEL0180(99)3680 ※2月15日開始

【ホームページアドレス】http://www.mofu.org

 

立正佼成会の善意に感謝――コアング・トゥトゥラム・ドゥング駐日エチオピア大使

立正佼成会の皆さまが1984年から20年間にわたり、寛容な心でエチオピアをはじめとするアフリカ諸国へ援助してくださったことに対し、深く感謝申し上げます。

皆さまが支援の手を差し伸べてくださった84年は、エチオピアにとって重要な年でした。それまでにない大干ばつに加え、当時の政府が国際社会に対し、この事実をひた隠しにしたことで、100万人が亡くなり、700万人の国民が苦しみのどん底にあえいだのです。そうした状況の中で、立正佼成会はじめ多くの方がお贈りくださった毛布は、何にも増してありがたいものでした。

エチオピアは面積の50%近くが海抜1500メートル以上の高地で占められており、国民の大半がこの地に住んでいます。高地は非常に寒暖の差が激しく、夜になると急激に気温が下がります。特に、6月から10月には0度近くにまで低下するのです。このような厳しい環境に暮らす人々にとって、日中は日よけに、夜は寒さをしのぐ防寒具として、毛布はなくてはなりません。

しかし、エチオピアで毛布は大変高価な品物です。わずかな収入で生計を立てている多くの国民は、簡単に購入できません。それだけに、皆さまからおくられる毛布に感激するのです。

その一方で、現実には毛布を必要としている人がまだまだ大勢います。特に2002年から2003年にかけて発生した干ばつでは、死者こそ出なかったものの、およそ1400万人の生活に大きな打撃を与えました。エチオピア政府では現在、定期的に襲ってくる干ばつに対処し、慢性的な貧困状態を打開するための開発事業を展開していますが、市民の生活を潤わせるには時間がかかります。

エチオピアにはこれまで、善意の毛布がたくさん届けられました。しかし、まだまだ足りないのが実情です。どうかエチオピアの抱える現状をご理解頂き、今後ともご支援くださいますよう、お願いいたします。

アフリカへ毛布をおくる運動20周年を迎えて――松原通雄外務部長


1984年、第1便の毛布1万7000枚が空路、アフリカへ向け、出発した(12月22日、東京。江東区の千代田梱包で)

本会は1984年から「アフリカへ毛布をおくる運動」を展開してまいりました。同運動は年を重ねるごとに活発化し、このたび20周年を迎えることができました。
その背景には、会員の皆さまの地道な呼びかけ、そして市民の方々のご理解とご協力がありました。心より感謝申し上げます。

この運動の発端は、未曾有の大干ばつに見舞われたアフリカの人々への緊急支援でした。官民合同による組織が結成され、そこに本会も参画し、会員あげて毛布の収集にあたったのです。その後、組織は解散されましたが、エチオピアだけでなくまだまだアフリカ各国で毛布が必要とされていることから、本会を含むいくつかのNGO(非政府機関)によって、その後も運動を継続してまいりました。「続ける」――このことが本会の平和・社会活動の最も大きな特徴だと思います。

私たちはとかく情報に振り回され、国際情勢なども時間が経つと次の関心事に移ってしまいがちです。しかし忘れ去られた側はどうでしょう。国際社会から孤立し、生命の危機にさらされてしまうのです。

アフリカでも、一度毛布をおくっただけで、人々の生活環境が劇的に変わることなどありません。むしろ1984年に初めて毛布をおくったことをきっかけに、私たちは遠いアフリカがいかに厳しい状況であるかを知ることができました。"暑い国"というイメージの強いアフリカが、寒暖の差が激しく、毛布が命を守る必需品であること、まだまだ毛布が必要なこと。運動を続けるほどに理解を深めています。またこの間、ボランティアで現地を訪れた方は、いかにアフリカの人々が毛布を心待ちにしているか、また喜びの一方で、受け取ることが出来ずに悲しむ人がどれだけ多くいるかを実感したことでしょう。

本会では、この運動に『皆一つのいのちの中に生かされている。だからこそ、つなぎ合い、認め合い、互いに支え合っていこう』というテーマを掲げています。これは、「一食を捧げる運動」の精神であり、宗教者のあるべき姿です。同じ地球に住むすべての尊いいのちが、その生命を全うできることを願い、祈りを込めて行動させて頂く。私たち自身の心を見つめなおす運動でもあるのです。

この運動によって毎年、約15万枚の毛布が全国から寄せられます。ここ数年は輸送費の支援も毎年6000万円を超えています。そこには何千、何万の人々の協力があり、また、この運動の精神がそれらの方に伝わっていることと確信しています。

会長先生は今年の御親教で『合掌』『斉家』の二幅の書き初めを披露されました。特に『斉家』に関しては、「ぬくもりのある家庭を目指そう」とご指導くださっています。このことを平和活動に当てはめてみたとき、私は、「アフリカへ毛布をおくる運動」は、「ぬくもりのある地球づくり」だと思います。一人ひとりが思いやり、優しさを持って、同じ地球に生きる人々に一枚の毛布を提供する。また、市民の方に協力を呼びかける際には、この運動の縁を通して豊かな心を育んで頂きたいと願う。まさに、一つのいのちの中に生かされている者同士の絆こそが大切なのです。

20周年を迎え、さらに、毛布のぬくもりと心のぬくもりが通い合うあたたかい運動を展開してまいりたいと思います。皆さま、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

(2004.02.13記載)