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2004年02月20日 アフリカへ毛布をおくる運動20年の歩み


多くの人が待つ中、ボランティア隊の手によって、一人ひとりに毛布が配布される(2000年、マラウイ)

「アフリカへ毛布をおくる運動」は、今年20周年を迎えました。本会では今年も4月1日から5月31日までの運動期間中、全国各教会で会員レベルによる啓発・収集活動が展開されます。節目にあたり、同運動のこれまでの歩みを振り返りました。


毛布に包まれ、笑顔で帰路に着く親子(1998年、エチオピア)

運動がスタートした1984年、ユニセフ(国連児童基金)のジェームズ・グラント事務総長(当時)は大干ばつに見舞われたアフリカへの緊急支援として、全世界に対し、200万枚の毛布協力を要請しました。日本政府は100万枚の毛布支援を表明。その年、外務省の呼びかけで官民合同による「アフリカへ毛布を送る会」(森繁久弥会長)が結成され、本会も参画しました。テレビやマスコミを通じたPRも行われたため、多くの国民が運動に賛同し、171万1500枚を収集しました。

所期の目的を達成し、翌85年に同組織は解散。しかし、アフリカ各地では毛布のニーズがまだまだ高いことから、本会をはじめとする若干のNGO(非政府機関)が引き続き毛布をおくろうと「アフリカ協力会」を新たに結成しました。90年には名称を「アフリカへ毛布をおくる運動推進委員会」と改め、今日まで地道な活動を続けてきました。

この間、同推進委員会にも動きが見られました。「アフリカ協力会」結成当時5団体だった構成団体は、94年には8団体に。後援団体は、外務省に加え、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)、国連世界食糧計画日本事務所などの国連機関が名を連ねました。2年後には、毛布の輸送を担当する日本通運株式会社が協力団体として賛同。国連機関、NGO、企業が協力し合いながら、運動に取り組んできました。

一方、本会会員は、戸別訪問での呼びかけをはじめ、宣伝カーや地元広報紙でのPR活動を展開。市民だけでなく、企業や学校、商店街の協力も得られるようになりました。市民運動としての着実な歩みは毛布の収集にも反映しました。18年前には年間の収集枚数が5万6000枚でしたが、9年前には10万8320枚に。3年前には、過去最高の16万9251枚を記録しました。20年間に合計で324万8549枚が全国から寄せられました。

配布国も年々増加し、近年はアフリカだけでなく、紛争や空爆の被害に対する緊急支援として、コソボ自治州、セルビア共和国、アフガニスタン、パキスタンの難民・国内避難民に対して毛布がおくられています。本会会員による現地モニターやボランティア隊の派遣も毎年行われ、延べ350人がアフリカの人々に直接、毛布を手渡しました。また、ここ数年は「毛布輸送協力金」に対する理解も深まり、協力金のみの支援も増えたほか、本会各教会では、輸送協力金のためのバザーや教会内での募金活動が行われるようになりました。

同運動がスタートして20年。身近にできる国際協力として着実に広がりを見せています。


大型トラックに積み込まれた善意の毛布をみんなで見送る(1997年5月、甲府教会が実施した「ユニセフ支援の集い」)


キャンペーン最終日。寄せられた毛布が教会道場の天井近くまで積み上げられる(1997年6月30日、船橋教会)

(2004.02.20記載)