子供の未来に心を寄せる宗教者が一堂に会し、子供を取り巻く環境の改善プランを構築しようと、妙智會教団の「ありがとう基金」(宮本丈靖総裁)は5月17日から19日まで、スイス・ジュネーブ市内のホテルを会場に「子どものための宗教者ネットワーク」(GNRC)第2回フォーラムを開催しました。世界68カ国から仏教、神道、キリスト教、イスラーム、ユダヤ教、バハイ教などの宗教者ら約350人が参集しました。立正佼成会からは山野井克典理事長が全体会議議長として、また本部職員が地域別会議の進行役としてそれぞれ参画したほか、酒井教雄・佼成学園理事長、同学園の生徒と本会会員の高校生が参加しました。
妙智會教団は新日本宗教団体連合会(新宗連)やWCRP(世界宗教者平和会議)の加盟教団として、本会と共に宗教協力の一翼を担っています。1990年、子供たちの救済を目的に「ありがとう基金」を創設。宗教協力による平和活動の一環として、2000年にGNRCを同基金内に設立しました。
東京で開かれた第1回フォーラム(00年)では、『祈りと行動――子どもの未来のために』をメーンテーマに、宗教者らがその役割、使命について議論。その結果を踏まえ、6つの地域(南アジア、東部・南部アフリカ、中央アジアとコーカサス、中東、欧州、中南米)でフォローアップの会議が行われ、貧困撲滅に向けた活動が展開されました。
第2回フォーラムでは、こうした地域別の活動がそれぞれ報告され、今後の活動プランをさらに具体化するための方途を探ります。さらに、地域紛争やエイズなど子供を取り巻く問題を子供の立場から発題し、子供たち自身が平和な世界の実現に向け何をするべきかを話し合います。また、宮本総裁(妙智會教団会長)が「国連子ども特別総会」(02年)で提唱した「倫理教育委員会」の設立が会期内に発表されます。
フォーラム開会式の席上、山野井理事長は庭野日鑛会長のメッセージを代読。「すべての嬰児は、神がなお人間に絶望してはいないというメッセージをたずさえて生まれてくる」という、インドの詩人であり思想家であるタゴールの言葉を紹介しながら、「平和をつくる根本は人づくりであり、いつの時代も最優先に取り組むべき課題である」と話しました。
また、世界の子供が病気、貧困、差別による孤独や阻害から開放され、夢と希望に満ち、自由で健全に強く育つ世界の実現と、フォーラムがその機縁となることを強く祈念しました。
(2004.05.21記載)
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