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2004年06月25日 ジェン・イランプロジェクト終わる

本会も加盟する特定非営利活動法人ジェン(JEN)が、1月からイランで実施していた地震被災者のための支援プロジェクトがこのほど終了しました。ジェンは、昨年12月26日に発生した大地震を受け、現地の行政機関や地元住民と協力し簡易トイレとシャワーを設置しました。

昨年末にイラン南東部のケルマン州バム市で発生した地震により、4万3000人以上が死傷したといわれています。家屋はほぼ全壊、被災者はテント生活を余儀なくされました。
こうした状況を受け、ジェンは1月上旬に玉利清隆スタッフを現地に派遣。現地では食料や毛布などの緊急支援が一段落した後も、2週間以上もシャワーを浴びることができず、シラミの発生など衛生面での問題が深刻化し、またテントにトイレがないため膀胱炎を患う女性が増えていました。このためジェンはバム市中心部から東に5キロ離れたバラバット地区に簡易トイレとシャワーを設置することを決定しました。
被災地では家庭用ボイラーの大半が被害を免れたため、地元住民に提供を依頼し、シャワーの設置を進めました。設置場所は地元住民が話し合いによって決定、簡易トイレ55戸、シャワー190戸を取り付けました。完成後は、地元住民が自主的に電球や鏡などをシャワー室内に設置するなど、協力して管理を行っています。
また、イラン教育省の要請を受け、9つの小学校でトイレを設置し、上下水の設備も整えました。ジェン撤退後は、イランの保健省、教育省を中心に管理が行われています。
帰国した玉利スタッフは、「今後はイラン政府を中心に復興活動が進められます。しかし、人々が元の生活を取り戻すにはまだまだ時間がかかりそうです。今後もジェンは現地の状況に関心を持ち続けていきたいと思います」と語っています。

(2004.06.25記載)