いまだ戦闘状態の続いているイラクから諸宗教指導者を招き、7月22日、京都市内のホテルでWCRP(世界宗教者平和会議)国際委員会、同日本委員会共催のシンポジウムが開催されました。『イラクにおける平和構築――諸宗教協力に課せられた役割』と題したシンポジウムでは、イスラームのシーア派、スンニ派、クルド人共同体、カトリックなどから6人の諸宗教指導者がパネリストとして出席し、率直な意見を発表しました。WCRP国際執行委員、同日本委員会の役員など、約180人の国内外諸宗教者、学術関係者がイラクの抱える課題を共有しました。また、イラク復興への決意を表明する「イラク諸宗教指導者共同声明」が発表されました。本会からは庭野日鑛会長(WCRP国際委員会共同会長)、山野井克典理事長はじめ、ワールドピースAwake実行委員会メンバーらが参加しました。
WCRP国際委員会は、イラクの復興・再建を目指し、WCRPの地域委員会にあたるイラク諸宗教評議会の結成に尽力しました。今年3月には、ヨルダン・アンマンでイラクの諸宗教指導者20人による会議を開くなど着実な歩みを続けてきました。今回、パネリストとして参加したイラクの諸宗教者は、ホワード・モハセン・ハマシ博士(イラク・イスラーム党上級代表)、ハイダル・アブドルザハラー・エリービ師(イラク諸宗教評議会理事)、マジド・イスマイル・ムハンマド師(クルド・イスラーム法学者協会代表)、アブドル・サラーム・アル・クベイシ博士(イラク・イスラーム法学者協会外交担当代表)、ガブリエル・ハナ・カッサブ大司教(カトリック、イラク諸宗教評議会理事)、サイード・ハッサン・バハラルロム師の6師です。クベイシ師は、イラクでの日本人拘束事件の際、解放に大きな役割を果たしたことで知られます。
シンポジウムでは、白柳誠一・WCRP日本委員会理事長、レオニド・キシコフスキー・WCRP国際委員会副実務議長のあいさつのあと、ウィリアム・ベンドレイ・WCRP国際委員会事務総長が進行役を務めてパネルディスカッションが展開されました。この中で、イラクの復興に向け、諸宗教間協力による宗教者の役割が重要であることが確認され、信頼醸成や子供たちの癒しなど、具体的な貢献のあり方が模索されました。
(2004.07.30記載)
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