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2004年12月11日 庭野会長、ブラジル教会を訪問――「全国布教」スタート

庭野会長は12月11、12の両日、「全国布教」の第1回としてブラジル教会を訪問しました。「開祖生誕100年記念事業」の一環として行われたもの。庭野会長は、ブラジルのサンパウロ市内の会場で現地時間の11日午後(日本時間の12日午前)、ブラジル教会の幹部を対象に法座形式で指導会を実施。翌12日は同教会での式典に臨み、「仏さまの教えは本来一人ひとりの身に具わっている。それに気づかせて頂くために、サンガの中での修行があるのです」と修行精進の意義を説きました。

庭野会長による「全国布教」は、今回のブラジル教会をはじめ、来年1月以降、国内42会場で実施されます。布教の最前線で活躍する幹部を対象にしたもので、信仰新生・布教伝道に関する"語らいの場"とし、庭野会長から直接の指導を仰ぐ機会となります。庭野会長のブラジル訪問は、昭和62年の勧請式以来17年ぶり、5度目。
ブラジル教会は昭和46年に発足、今年で33周年を迎えます。日本人のブラジル移民は1908年に始まり、約24万人が移住したといわれます。現在、日系人社会はすでに四世、五世の時代に入り、その数はすでに140万人を超えます。当時は日系人社会を形成し、日本語を常用語としていましたが、今では日本語を話せなくなった世代が多くなり、布教伝道でも公用語のポルトガル語の必要性が迫られています。
11日の指導会には、同教会幹部10人が出席。「貧富の差が激しい社会での布教のあり方」についての質問に対して、庭野会長は「貧しいから不幸、豊かだから幸せということは一概に言えないものです。貧しいがゆえに家族が助け合うという幸せもあります。貧しい中にも真剣に生きていく、そして生かされていることに感謝できる、それが本当の幸せであり救いとなるのです」と述べました。また「"万人の救い"が釈尊の願い、開祖さまの願いですが、その願いは本来一人ひとりの心の奥底に持っている願いなのです。その根底の願いに気づくことによって、法喜を得られます。その喜びを伝えていくことが一番の大事」と布教の原点は喜びにあることを示しました。
翌12日の式典には会員255人が参集。3部構成で進められました。第1部ではポルトガル語による会歌斉唱のあと、9家族による奉献の儀に続き、会員代表2人が体験説法を行いました。
このあと、随行の篠崎友伸学林学長のあいさつに続き、庭野会長が登壇。「一生涯を通して学んでいくという姿勢で精進することが私たち仏教徒の使命です」と法話を述べました。
第2部は庭野会長を囲んでの質疑応答。「平和とは何か」「無常の教えについて」「肉親の死の悲しみを超えていくには」などの質疑が寄せられ、一問一答形式で進行。永嶋孝至同教会長は「教えを学んだ喜びをしっかり発信していけるブラジル教会になりたい」と結び、今後の決意を発表しました。
第3部は会員が一品ずつ持ち寄る形で屋外で昼食会が催され、庭野会長はブラジルの国樹であるイッペの樹を記念植樹しました。
なお、この日はフォコラーレ運動(カトリックの在家運動体、本部・イタリア)のサンパウロ・センターからジョン・マヌエル・モッタ同南地区責任者など5人がかけつけ、庭野会長と面談し、旧交を温めました。

(2004.12.17記載)