12月26日にインドネシア・スマトラ島沖で発生したマグニチュード(M)9.0の地震による津波の被害は、発生から3週間が経とうとしている現在、インドネシア、スリランカ、タイ、インドなど13カ国で死者15万6000人以上、被災者は500万人に達したと報じられています。立正佼成会では、地震発生直後から被災地の救援を検討し、「立正佼成会一食平和基金」から「災害緊急援助復興支援金」として総額5200万円の支援を決定しました。
支援先は、スリランカ大使館はじめ、国連機関やNGO(非政府機関)など9団体。すでに、12月28日午前、本会一食平和基金運営委員会委員長の松原通雄外務部長が、東京・港区のスリランカ大使館を訪問。カルナティラカ・アムヌガマ駐日大使に500万円を贈呈しました。
一方、被災地では、本会とつながりのある多くの国連機関やNGOが救援活動を行っており、本会では、そうした活動に4500万円を支援することになりました。
このうち、本会も加盟する特定非営利活動法人「ジェン」は12月30日から1月8日までスリランカで支援活動のニーズ調査を行いました。同基金では、調査費用として200万円を支援。さらに今後の活動に対し1000万円を追加支援しました。また、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会、新宗連(新日本宗教団体連合会)にそれぞれ100万円を寄託しました。調査には、ジェンスタッフと共に本会から舘修朗・青年本部スタッフが同行。本会では、舘スタッフの調査報告を受け、さらに今後の対応を検討していく意向です。現段階での支援先は下記のとおり。
スリランカ大使館=500万円/ジェン=1200万円※うち200万円は調査費/UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)=1000万円/WFP(国連世界食糧計画)=1000万円/JVC(日本国際ボランティアセンター)=500万円/SVA(シャンティ国際ボランティア会)=500万円/日本紛争予防センター=300万円/WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会=100万円/新宗連(新日本宗教団体連合会)=100万円
スマトラ沖大地震及び津波被害にに関する緊急談話
会員の皆さまへ
立正佼成会理事長
山野井克典
昨年は、新潟県中越地震、台風など多くの自然災害に見舞われた年でした。そして、年末の12月26日には、インドネシア・スマトラ島沖で大地震が発生し、それに伴う大津波によって各国に未曾有の災害をもたらしました。現段階で明らかになっている被害の実態は、亡くなった方が15万人以上、被災された方は500万人とも言われております。想像を絶する甚大な被害を前にして、まさに言葉を失う思いがいたします。犠牲となられた方のご冥福を心よりお祈りするとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げる次第であります。
現在、被災地には国際社会から救援の手が差し伸べられておりますが、本会といたしましても、「立正佼成会一食平和基金」より昨年末にスリランカ大使館に見舞金を贈呈し、さらに、このほど国連機関、NGO(非政府機関)などへの緊急支援を決定いたしました。支援の総額は5200万円に及びます。「一食平和基金」にお寄せ頂いた会員の皆さまの同悲・同苦による真心からの浄財を役立たせて頂きましたことに感謝申し上げます。
教団本部には、会員の皆さまから「何か私たちにさせて頂けることはないでしょうか」との声も寄せられています。皆さまのお心を大切にしながら、また各方面より情報を収集しながら、今後も本会としてできる限りの対応を検討させて頂きたいと思っております。すでに、特定非営利法人「ジェン」のスリランカ現地調査に本会から青年本部スタッフ1人が同行し、また、教務部(国際伝道グループ)のスタッフ2人も、緊急布教支援のためスリランカ連絡所の会員のもとを訪れました。これら貴重な現地情報も、今後の参考として役立ててまいる所存です。
一方、今回の大津波による被害はあまりに広範な地域に及んでいます。また、緊急救援と共に中長期的な息の長い支援を続けていく必要性なども指摘されています。その意味から、当面は、一食平和基金を通じての支援に一本化させて頂きたいと思います。今回、即座に緊急資金援助という形で対応させて頂けたのも、日ごろの皆さまの地道な献金の積み重ねがあればこそのことです。今後も「一食を捧げる運動」への取り組みをさらに充実させて頂けますよう、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
相次ぐ自然災害で多くの人々が災禍に巻き込まれ、犠牲となられる中で、私どもは常日ごろから会長先生に教えて頂いているいのちの尊さ、すべてのいのちは「仏の御いのち」と一つであるということを、いま一度かみしめさせて頂きたいと思います。『世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない』という宮沢賢治の言葉のように、一切のいのちが救われる世界の実現こそが、仏の願いであり、私たちの心からの願いであります。その本願に向け、会員の皆さま方と共々に精進させて頂きたいと念願いたしております。
(2005.01.14記載)