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2005年03月25日 スマトラ沖地震津波災害 ジェンのスリランカでの活動本格化

スマトラ沖地震・津波災害の被災者支援のため、1月上旬からスリランカ南部のハンバントタで支援活動を進める特定非営利活動法人「ジェン」の活動が本格化しています。ジェンはスリランカでの支援活動を(1)緊急支援(2)当座の生活支援(3)生活再建と心のケア――の3段階で計画。現在は第2段階が終了し、生活再建と「心のケア」に重点を置いたプロジェクトを準備中です。

ジェンは、昨年12月26日の災害発生直後から現地調査を行い、支援のニーズを探ってきました。現地調査と同時に、第1段階として、北東部ムラティブ県とキリノッチ県で緊急支援物資の配布を実施。その後、首都コロンボに統括事務所を設置し、国際スタッフ1人と現地採用のスタッフ4人を中心にハンバントタで活動を行っています。
国際スタッフの青島あすか氏の報告によると現在、ハンバントタでは、瓦礫の撤去作業や道路の整備が急ピッチで進められ、被災者も避難所から仮設住宅での生活に移行。併せて、もともと住んでいた住居の再建も進んでいます。
一方で、津波の被害により、被災者の多くが家財道具や生活用品を失い、生活できる状態にありません。そのため、ジェンは第2段階の活動として、鍋、釜をはじめ、ほうきやポリバケツなどの生活必需品を配布しました。
災害から3カ月を経た現在、被災者の心の傷やショックが徐々に表れてくる傾向にあることから、ジェンは第3段階として「生活再建と心のケア」に重点を置いた活動の準備を進めています。
具体的には、現地に伝わるココナッツの葉を利用したロープづくりや漁民が使用する網の作製、野菜・果物づくりなどを行う中で、心の傷を癒します。また、スポーツ用品を提供し、被災者の子供たちが自主的に管理していくシステムを提供します。支援活動の実施にあたり、カウンセラーや心理学者の募集も行う意向です。
青島氏は今後の活動について「スリランカは、今回の災害だけでなく、紛争により、多くの人が厳しい生活を強いられています。被災者の支援と同時に、紛争によって心の傷を負った人々の心のケアや平和構築に向けた活動も展開していきたい」と語っています。

(2005.03.25記載)