News Archive

2005年05月28日 愛知万博でIARF・JLCとWCRP日本委がシンポジウム開催

愛知万博(愛称=愛・地球博)に共同出展するIARF・JLC(国際自由宗教連盟日本連絡協議会)とWCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会の共催による「国際シンポジウム2」が5月28日、『宗教は文明の衝突を回避できるか?』をテーマに、万博会場内の地球市民村交流ホールで開催されました。5月1日から1カ月にわたり行われてきた両団体の共同出展事業は、このシンポジウムで主要なプログラムを終えました。なお、期間中、WCRP日本委の青年ボランティア延べ89人が、パビリオンでの案内や説明などにあたりました。

シンポジウムでは、冒頭、ジョン・テイラー・IARFジュネーブ事務所代表(元WCRP国際事務総長)が基調講演を行いました。テイラー博士は、「文明の衝突」の一例としてキリスト教社会とイスラーム社会の対立に触れ、互いの共通点よりも違いに目を向けがちな現在の状況に危惧の念を示しました。その上でテーラー博士は、「人間は衝突し、争うためではなく、対話し、愛し合うために存在する。宗教者の使命は、単に言葉で平和を説くだけでなく、人間家族のパートナーシップづくりのため人々と一緒になって協力し合うことであり、そこから真の平和ももたらされる」と述べました。
続いて、三宅善信・金光教春日丘教会長をコーディネーターに、オリビア・ホルムズ・UUA(ユニテリアン・ユニバーサリスト協会)国際局長(キリスト教)、シュロモ・アロン・IEA(諸宗教出会い協会)議長(ユダヤ教)、IEAのアイマン・ジェバラ氏(イスラーム)、安田暎胤・薬師寺管主(仏教)によるパネルディスカッションが行われました。この中で、「平和共存のために大事なのはそれぞれの宗教や文化を一体化させることではなく、互いの違いを認め尊重し合うこと」「互いを知らないことから偏見や憎しみが生まれる。まず人間が直接会って話し、学ぶ合うことが肝要」「宗教の名のもとに戦争をする者は宗教を正しく実践していない。寛容と正義を説く宗教に忠実に生きることができれば文明の衝突は避けられる」といった意見が出されました。また、教団と個人の関係、教育、経済的な適正配分などについても意見が交わされました。

(2005.06.03記載)