「比叡山宗教サミット18周年 世界平和祈りの集い」(天台宗など主催)が8月3、4の両日、京都市内のホテルと滋賀県大津市の天台宗総本山・比叡山延暦寺を会場に開催され、国内外の宗教指導者らが参加しました。本会から庭野会長が出席。庭野会長は、「平和の祈り式典」で新宗連(新日本宗教団体連合会)理事長として登壇し、他の参列者代表と共に平和を祈念しました。
1986年にイタリア・アッシジで開かれた「アッシジ平和祈願の日」。その精神を継承する「世界平和祈りの集い」は、故山田惠諦師(第253世天台座主)の呼びかけにより翌87年から始まりました。今年は特に、「平和の祈り式典」と共に、昨今の世界情勢の中で、仏教が世界平和実現のために何ができるかを考察することを目的に「平和の架け橋を求めて アジア仏教者との対話集会」が開催されました。
3日、京都市内のホテルで開会式典が行われ、約360人が出席。西郊良光・天台宗宗務総長の開会の辞に続き、海外招請者が紹介されました。このあと、天台宗僧侶で作家の瀬戸内寂聴師が『無償の奉仕の力』、パイサーン・ウォンボラビシット師(タイ・国民和解委員会委員)が『仏教者とは平和への媒介者である』をテーマに、それぞれ基調講演を行いました。
翌4日午前中には同ホテルで、『紛争和解のために仏教者は何ができるのか』をテーマにシンポジウムが行われました。杉谷義純・天台宗国際平和宗教協力協会顧問がコーディネーターを務めました。バングラデシュ、カンボジア、日本、スリランカの仏教代表とマレーシアのイスラーム代表、アメリカのキリスト教代表の6人がパネリストとして登壇。仏教代表からは、四諦の法門、八正道、四無量心などの仏智を基盤とした和解への道が提言されました。また、アメリカのレオニド・キシコフスキーWCRP(世界宗教者平和会議)国際委員会副実務議長はボスニア・ヘルツェゴビナでの紛争和解への取り組みに触れる中で、同国の宗教対話に庭野会長が大きな役割を果たしたと言及。仏教精神を基盤とした紛争和解への取り組みに期待を寄せました。
午後からは、比叡山延暦寺の一隅を照らす会館前広場に会場を移し、「平和の祈り式典」が行われ、約1000人が参加しました。海外代表者6人による「祈りの言葉」に続き、庭野会長(新宗連理事長)ら国内代表者が登壇。渡邊惠進天台座主が平和祈願文を奏上しました。渡邊座主は、戦禍や紛争が治まらない世界の現状に触れながら、平和の回復・創造を目指した今回の対話集会の成果が現実に生かされることに期待を寄せました。また、今春、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世が帰天されたことに触れ、宗教間対話の発展に寄与した先達のあとを受け継いでいく責務の重要性を訴えました。
このあと、延暦寺全山の鐘が打ち鳴らされる中、全員で平和の黙祷を捧げました。さらに、小林隆彰・天台宗国際平和宗教協力協会顧問が「比叡山メッセージ」を発表しました。
(2005.08.19記載)
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