News Archive

2005年08月26日 WCRP8まで1年 ベンドレイ・WCRP国際委事務総長に聞く

WCRP8(第8回世界宗教者平和会議)が来年8月26日から29日まで京都で開催されます。大会を1年後に控え、WCRP国際委員会のウィリアム・ベンドレイ事務総長に大会の意義や本会に対する期待などを聞きました。

――京都で産声を上げたWCRPが、再び京都に戻ることになりますね。

WCRPは現在、国内委員会の前段階にあたるIRC(諸宗教評議会)の設立に力を入れています。前回のヨルダン大会(1999年)の時点でIRCを有する国は20数カ国でしたが、現在では57カ国になり、2倍に増えています。WCRPは新たな発展段階にあり、その礎の地である京都でWCRP発足の理念をあらためてかみしめることは大変重要です。多くの参加者は、WCRP発祥の地を訪れることをとても楽しみにしています。京都大会は、WCRPの家族の結束を一層深める機会にもなるはずです。

――今回の世界大会は、本会の庭野日鑛会長が日本委員会理事長として迎える大会になります。

庭野先生は、日本委員会の理事長であると同時に国際委員会の共同会長でもあります。ですから、大会に向けて非常に卓越したリーダーシップを発揮されるお立場にあるわけです。
国際委員会共同会長としての庭野先生は、新たな発展段階にあるWCRPの課題を深く理解されています。世界の宗教共同体がいかに対話というレベルから具体的な宗教協力活動や平和活動に参画できるようになるか、また、いかに各国の諸宗教評議会を発展させ、ネットワーク化を図れるか。そうした課題に対して、すぐれたリーダーシップを発揮されると期待しています。
また、日本委員会の理事長には、日本の宗教界全体で世界の宗教者をお迎えする態勢を整えてくださることが期待されています。神道や仏教など伝統的な宗教のみならず、あらゆる宗教教団が結集して宗教者をお迎えできるよう尽力される庭野会長先生のご努力を、私は深い理解と敬意をもって見守っております。

――くしくも来年、庭野日敬開祖生誕100年を迎えることに深い因縁を感じています。

庭野開祖さまは、非常に深いビジョンをお持ちの方でした。今大会は、そうしたビジョンが実際に顕現する場になると考えています。
宗教者は常に修行の途上にあるという認識を持っていますが、WCRPについても同じことが言えると思います。世界の諸宗教団体はすでにさまざまな問題の解決に取り組んでいます。しかし、我々に課せられた課題は、そうした取り組みが単独で行われるのではなく、諸宗教が協力して一緒に道を歩めるかどうかということです。平和実現のためのそうした協力こそ、開祖さまの描かれたビジョンでありました。今大会は庭野開祖さまのビジョンが実現していく証しを与えてくれるものであると確信しています。
京都に集う宗教指導者たちにとって、家族としての絆を深めるだけでなく、将来に向けてこの諸宗教協力を発展させ、推進していこうとする決意を深めることが何より大事です。そうした私たちの精神的な支えとして、庭野開祖さまは大会期間中、常にそばにいてくださると信じています。

――立正佼成会に期待することは。

立正佼成会の皆さまは、世界の諸宗教協力に対して二つの大きな役割を果たされていると思います。
一つは、一人ひとりが仏教徒として深い信仰観に基づき、宗教協力による紛争の解決、平和の構築、持続的開発といった具体的な活動を推進されているということです。
もう一つは、世界の諸宗教協力の基礎、つまり宗教協力を進めるための道具、メカニズムといったものを構築されていることです。具体的には、立正佼成会のサポートによる諸宗教評議会の構築などがそれにあたります。法華経を基に宗教協力の重要性に着目された庭野開祖さまの精神が、会員さん一人ひとりにまで浸透し、世界の宗教協力を推進するための土台作りという重要な役割を果たすまでになったのだと思います。
皆さまの重要な役割を私は感謝と喜びで受け止めるとともに、今後も皆さんにこの聖業を続けて頂きたいと心から願っています。そしてまた、世界の宗教者たちも立正佼成会の特別な役割や貢献に対して大きな感謝と敬意を抱いていることを忘れないで頂きたいと思います。

【メモ WCRP世界大会】
諸宗教間の対話・協力を促進し、宗教者による平和貢献のあり方を模索する目的で、1970年、京都で第1回が開催されました。宗教間の対話は不可能という風潮が強かった当時、画期的な出来事とされました。大会はその後、ルーベン(ベルギー)、プリンストン(アメリカ)、ナイロビ(ケニア)、メルボルン(オーストラリア)、ローマおよびリバ・デ・ガルダ(イタリア)、アンマン(ヨルダン)と、世界各地で開かれました。来年の第8回大会は、前回の大会以来7年ぶりの開催となります。

(2005.08.26記載)