2005年10月14日
庭野平和財団・南アジアプログラムの来年度はインド、スリランカで
庭野平和財団が進める南アジアプログラムの平成18年度のプロジェクトがインド、スリランカで実施されることになりました。スリランカでは初めての実施となります。先ごろ両国で行われた現地諮問委員会には、現地の諮問委員のメンバーほか、同財団の野口親一専務理事(スリランカのみ出席)、高谷忠嗣事務局長、同プログラムのアドバイザーである大橋正明・恵泉女学園大学教授らが出席。席上、来年度から実施されるプロジェクトの年間テーマが検討され、インドは『周縁化された人々』に、スリランカは『内戦に伴う国内避難民』に決定しました。
インドのテーマ『周縁化された人々』とは女性や少数民族、低カースト層、障害者など伝統的な差別や社会政策の未整備によって厳しい境遇に置かれた人々を指します。現地NGO(非政府機関)と協同して、彼らの環境改善と権利回復が図られます。
一方、スリランカでは、政府と「LTTE」(タミル・イーラム解放の虎)の20年に及ぶ内戦によって発生した国内避難民を支援の対象としました。今年5月にUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)から発表された統計によると、同国の内戦による国内避難民は約35万人。スマトラ沖地震の津波被害が国際的な注目を集め、被災者に対し国内外から支援の手が差し伸べられている一方で、内戦による国内避難民はその恩恵を受けられず、これまでの支援も十分とは言えなかったため、未だ故郷に帰還できない国内避難民が大半です。そうした事情を踏まえ、今回の年間テーマを『内戦に伴う国内避難民』に決定しました。
今後は現地のNGOへの調査が行われ、その報告をもとに選考委員会で支援先が決定されます。
(2005.10.14記載)
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