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2005年12月16日 ゆめポッケ・キッズキャンペーン 現地配布報告

昨年の「ゆめポッケ・キッズキャンペーン」(主管=青年本部、外務部)で集められたポッケが海外の子供たちに相次いで届けられました。配布地は、今春、本会の「ゆめポッケ親子ボランティア隊」が訪れたアゼルバイジャンをはじめ、アフガニスタン、スリランカ、レバノン、パレスチナ(ガザ地区、ヨルダン川西岸)、英国・北アイルランドの6カ所。「ゆめポッケ推進事務局」には現地の協力団体から、ポッケを受け取った子供たちの現状や喜びの声が報告されています。※( )内は協力団体名。

【アゼルバイジャン(ハイヤット)3403個】
ロシア軍との争いで祖国を追われたチェチェン難民、同国西部に住むアルメニア人とアゼルバイジャン人との対立により家族を失った国内避難民の子供が配布対象となりました。今年3月25日から4月1日まで「ゆめポッケ親子ボランティア隊」の一行27人が現地を訪れ、難民の子供たちが通う学校をはじめ、難民センターなどでポッケを配布。その後、ハイヤットのスタッフが学校や施設など計26カ所に届けました。配布先の一つ「ラードゥガ子供センター」の教師は『難民の子供たちを喜ばせてくれた日本の子供たち、そのご両親に感謝いたします』とメッセージを寄せました。

【アフガニスタン(特定非営利活動法人ジェン)8285個】
同国パルワン州チャリカ市でポッケを配布しました。20年以上続いた内戦や紛争の激戦地となった同市は、いまだ破壊された建物が放置されています。子供たちの多くは屋根のない教室や屋外で授業を受けています。農業や日雇い労働などをしながら家計を助けている子供がほとんどです。同州の教育局との話し合いにより、特に貧しい地域の18の小学校、4カ所の幼稚園、孤児院1カ所を配布対象に選定。学校では教師を対象とした説明会を行い、運動の趣旨を伝えた上での配布活動となりました。またジェンは配布から2カ月後、ポッケがどう扱われているかを調査。その結果、中身の文房具やおもちゃをきょうだいで分け合って使っていることや、ポッケそのものを「かばん」として使用している子供が多いことがわかりました。

【スリランカ(サルボダヤ運動)3154個】
主に、 昨年末に発生したスマトラ沖地震による津波で被災した4歳から10歳の子供にポッケを配布しました。配布地域は首都コロンボをはじめ、津波被害が大きかったハンバントタなど13カ所。多くの子供たちは津波で家や家族を失い、心に傷を負っています。同団体の福祉部門が中心となり、いまだ対立関係にあるシンハラ人とタミル人、またムスリムの三つの民族グループに公平にポッケを配布しました。
報告書にはポッケを受け取った子供たちの声が多数紹介されています。津波で両親と兄を失ったシスィッティー・ウンマさん(9つ)は『ゆめポッケの中身に興奮しました。しかし、私が一番うれしかったのは、小さなメッセージカードに書かれた「幸せを祈ります」という言葉でした』と語りました。

【レバノン(社会福祉と職業訓練のための全国子協会、UNRWA=国連難民救済事業機関)1万6776個】
祖国を失い、50年以上にわたり厳しい難民生活を送るパレスチナ難民の子供たちにポッケが届けられました。UNRWAは、2カ所の幼稚園と小学校の348クラスで配布活動を行いました。一方、「社会福祉と職業訓練のための全国協会」は、レバノン国内16の難民キャンプにある92の幼稚園で配布活動を展開。ファティマ・シュラウラちゃん(5つ)は、『素敵なプレゼントを受け取ったとき、とても幸せな気分になったことをあなたたちに伝えたいです。私たちはいつか母国に帰れたら、あなたたちを私たちの町や村に案内します」とメッセージを寄せました。

【パレスチナ(UNRWA)1万8801個】
今年9月にイスラエル軍が完全撤退したガザ地区、ヨルダン川西岸に住むパレスチナ難民の子供を対象に配布活動が行われました。ヨルダン川西岸ではUNRWAが経営する小学校の1年生が配布対象となりました。

【英国・北アイルランド(コリメーラ共同体)3707個】
キリスト教のカトリックとプロテスタントという宗派の違いから、対立が続いている北アイルランドでは、双方の子供たちの融和と平和構築を目的に活動を展開。カトリックとプロテスタントの統合学校である「ハゼルウッド校」をはじめ14の小学校でポッケを配布しました。配布を前に、コリメーラ共同体のスタッフが生徒に運動の趣旨や日本について説明。報告書には「私たち(スタッフ)では十分な説明ができないので、ぜひ日本からポッケを届けに来てほしい」と記されています。


(写真提供ジェン)

(2005.12.16記載)