全国の壮年幹部が一堂に会し、菩薩としての決意を新たにする平成18年次「壮年幹部会」が11月4、5の両日、法輪閣、第二団参会館を会場に行われました。『法華経精神に基づく信仰の確立を目指して』のテーマのもと、全国の壮年部長ら530人が参集。庭野日鑛会長の法話をはじめ、渡邊恭位・布教本部長による講話、説法、グループ別法座、教区別法座を通し、法華経観に立脚した実践のあり方を学び合いました。
家庭や学校での子供の問題、企業の不正などが取り沙汰される現代において、家庭や地域、職場での壮年菩薩への期待はますます大きくなっています。こうした現状を踏まえ、同幹部会は、平成15年次に打ち出された壮年活動基本方針『壮年活動の目指すもの』の理解をさらに深め、信仰を基盤とした壮年の生き方を学び合うものとなりました。
基本方針で示された壮年の使命・役割とは、(1)家庭、教会における"お父ちゃん"的役割(2)真の大人、頼りになる大人として平和境建設の担い手となる、の2点。その役割を担うための修行・活動として、家庭では、読経供養とお給仕の励行、家庭での教育、家計への責任を持つことなどが、また教会では、青少年育成、教会運営や施設管理のお役などが、それぞれ示されています。さらに、職場や地域での諸問題を発見し、改善に向けた具体的な行動を起こすことが期待されます。
法輪閣で開会した幹部会では、読経供養のあと渡邊布教本部長が『本会壮年に期待されるもの』と題して講話を述べました。冒頭、信仰を確立する依りどころとして『会員綱領』を例示。会員の目的は「人格の完成」と「世界の平和境建設」であり、その前提として「本仏釈尊に帰依し」「開祖さまのみ教えに基づいて」「菩薩行に挺身する」ことが大切であるとしました。
その上で、立正佼成会『会規』前文と庭野日敬開祖の著書『庭野日敬自伝』の一部を引用しながら、「壮年部長さんにお願いしたいことは、多くの壮年部の皆さんと共に、法華経をぜひお伝えして頂きたいということ」と述べ、壮年に期待されることの一つとして正法の流布を明示しました。
講話では特に、『無量義経徳行品』を解説しながら「徳」を身につける大切さを強調。「人を包容して育成する力を徳といいます。人間の本質、根幹は徳であり、この徳を身につけ、磨いていくことが人格の完成につながります。徳の行いとは、相手をたたえ、褒めること。相手の人をたたえた時に、相手が感動するような私たちになっていきたい」と話しました。
また、苦手な人、困難な問題が身近にあるとき、自分の至らなさを教え、自分を切り替える仏の説法と受け止める生き方を示し、「そのように受け止められるには『六波羅蜜』『八正道』の行をすること。それが徳になるのです」と説きました。
このあと参加者は第二団参会館に移り、講話に示された壮年の生き方をグループ別法座で確認。基本方針を伝えるVTRを各部屋で視聴し、グループ別活動報告会で各教会の取り組みを話し合いました。
2日目、参加者は再び法輪閣に参集。式典では読経供養のあと、参加者を代表して2人が体験説法。壮年部長としての気付き、功徳について発表しました。
このあと、法話に立った庭野会長は、さまざまなお役を果たす中で、「我」「とらわれ」から離れることができると、自身の体験を基に説明。『妙法蓮華経方便品』の一節『吾成佛してより巳來、種種の因縁・種種の譬諭をもって、廣く言教を演べ、無数の方便をもって、衆生を引導して諸の著を離れしむ』を引用しながら、「我を少しでも取り去るように、仏さまはいつも私たちに働きかけているのです」と、仏の働きを示しました。
さらに、「常に自我を超えて前進することがあってこそ、私たちは生きているのだといえます。無常、無我ということを、私たち一人ひとりが心の奥で願っています。それに沿っていくと私たちは平安になれるのです」と述べ、『三法印』の法門をかみしめました。また、「仏さまの願いは一切衆生の救済ですが、実は私たち一人ひとりも一切衆生救済の願いを持っているということを仏教では教えています。そのことに気付くと、我にとらわれずに前進することができるのです」と、『願生』の自覚を促しました。
幹部会では、引き続き第二団参会館で教区別法座が行われたあと、沼田雄司・教務部長が2日間の行程を振り返り、結びの言葉を述べました。
(2006.11.10記載)
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