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2006年11月18日 『南アジアの社会問題とNGOの挑戦』をテーマに公開講演会

『南アジアの社会問題とNGOの挑戦』をテーマに庭野平和財団と本会一食平和基金運営委員会主催による公開講演会が11月18日、大聖ホールで行われ、市民を含め80人が参加しました。

当日は冒頭、『貧困の削減』をメーンテーマに進められている同財団の「南アジアプログラム」(一食平和基金を委託)について中村唯・同プログラムオフィサーが概要を紹介。インドとバングラデシュ、スリランカでの12プロジェクトの取り組みを説明しました。
続いて、同プログラムのインド諮問委員を務めるマナベンドラ・マンダル氏が『インドにおける人身売買とNGOの取り組み』と題して、バングラデシュ諮問委員のモヒウディン・アフマド氏が『南アジアの民主主義、開発、多様性とNGO』をテーマにそれぞれ基調講演を行いました。
マナベンドラ氏は、性的搾取や児童労働を目的とする人身売買が武器、麻薬に次ぐ大きな密輸であると指摘し、組織ぐるみで行われている現状を説明。「人身売買は貧困や汚職、社会的差別などが原因で、弱い立場に置かれている人、中でも少女が犠牲になっています。開発の問題と不可分」と述べ、人間の尊厳を守っていく努力が不可欠と訴えました。
一方、モヒウディン氏は、南アジア各国の実状を説明。近年は軍事化が進み、強権が発動され、人権が侵害がされている現状に触れ、軍事化に伴う社会状況の変化が、とりわけ貧しい人々に犠牲を強いていると指摘しました。その上で、各国のNGO(非政府機関)の数や活動に言及。「南アジアの人々は民主主義や自由を求めています。しかし、それは誰かに与えられるものではありません。自ら勝ち取っていかなければならず、人々の闘い、取り組みは続いていきます」と語りました。
このあと、恵泉女学園大学の大橋正明教授がコメント。「人身売買も、貧困、民主化についても問題は複雑です。私たちの取り組みがすぐに状況を変えるわけではありませんが、取り組むことによって問題の複雑さを理解し、行動の必要性をより深く認識できます」と強調しました。

(2006.11.24記載)