東ティモール(C)UNICEF East Timor
「一食ユニセフ募金」の新たな支援先が、このほど青年本部から発表されました。2004年度から3カ年計画で実施してきたアジア6カ国への「初等教育支援」は、昨年度をもって終了。今年度から2009年までの3年間、4カ国(東ティモール、ネパール、フィリピン、カンボジア)への「初等教育支援」が決定した。また、紛争や自然災害などの緊急事態発生の際、ユニセフ(国連児童基金)の事業に対応するかたちで「緊急・復興支援」を行うことを決めました。支援の背景、支援先での事業内容を紹介します。
勉強する子どもたち。多くの学校が修復や設備改善を必要としている=東ティモール
本会「一食ユニセフ募金」で、街頭募金やチャリティーバザーなどを通じて市民から寄せられた浄財の使途は、各国の子どもたちの現状や他の機関、団体などの支援状況を踏まえ、ユニセフと検討を行った上で事業や支援国を選定しています(=指定拠出)。
本会では、特に初等教育の普及を重要な取り組みと意義づけています。初等教育は、子どもたちの心身の健やかな成長を促すとともに人生や未来の希望をはぐくむ場であり、基礎学力や生活力の向上が、貧困状況や不当な搾取から逃れることにつながるなど、真の自立をサポートするための重要な機会だからです。将来的にはその国の発展にも影響を与えることから、ユニセフは最も重要な事業の一つとして取り組んでいます。しかし、深刻な事態にもかかわらず、支援の行き届いていない国が少なくないため、世界中でいまだ多くの子どもたちが学校に通うことができないのが現状です。
本会では過去3年間にわたり、アフガニスタン、インド、ミャンマー、ラオス、フィリピン、カンボジアの6カ国への「初等教育支援」を行ってきました。このうちアフガニスタン、インド、ミャンマー、ラオスの4カ国は一定の成果が上がったため、支援を終了。「世界中の子どもを学校に行かせたい」という願いのもと、今年度からは、現在も深刻な状況が続くフィリピン、カンボジアの2カ国に加え、独立後も混乱が続く東ティモール、政情不安のほか、男女間の格差が問題となっているネパールでの事業をサポートし、子どもたちへの支援、世界の平和に貢献していきます。
また、今年度から新たに「緊急・復興支援」が掲げられ、紛争や自然災害など突発的な事態が発生した際には、ユニセフが行う緊急事業に対応するかたちで、緊急募金など支援活動に取り組みます。
活動への参画は教会の判断に委ねられますが、被災者や困難な状況下にある子どもや女性への迅速な支援が行われることから、「世界中から送られてくるニュースを主体的に受け止め、『支援を必要としている人々のお役に立ちたい』という会員さんの思いやりの受け皿になれれば」と青年本部は話しています。
レンガ造りに励むきょうだい。1日8時間以上働かなければならず、学校に通えない=ネパール(C)UNICEF Nepal/2003/Lama
【初等教育支援】
◆東ティモール
2002年の独立以降も国内での和解のプロセスの進展が遅れ、散発的な暴力行為が発生するなど政情不安が続いています。小学校就学率は男児76%、女児74%で、教育事情は他の東南アジア地域よりも劣ります。学校設備の改善、子ども中心のカリキュラム導入のほか、教員研修を実施し、教育の質の向上を目指します。
◆ネパール
1996年のマオイストによる武装闘争開始以降、政治的、経済的に不安定な状況が続いています。教育の男女間格差が深刻で、小学校就学率は男児が75%、女児は66%。女子の就学・教育機会の普及拡大を図ると共に、学校の給水・衛生設備の改善などに取り組みます。
◆フィリピン
国内22の主要都市で25万人のストリートチルドレンが、犯罪や薬物乱用、身体的虐待、性的虐待の危険にさらされています。また4歳から12歳の400万人が児童労働に従事しており、その半数が危険度の高い労働を強いられています。ストリートチルドレンを保護し、識字教育、職業訓練、心理社会的サポートの提供などを通じ、彼らの社会復帰を支援します。
◆カンボジア
教育の地域間格差が存在し、教育環境の不備、教育の質の問題から中退率も高くなっています。農村部での教育格差の是正を図るため、学校設備の改善、教員研修の実施をはじめ、小学校入学を推進するための就学前教育、また家庭ベースの教育の普及拡大を目指します。
(2007.02.02記載)
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年
2006年
2005年
2004年
2003年
2002年
2001年