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2007年03月09日 庭野会長と梅原猛氏の対談を収録 『仏教を、世界へ。』発刊

庭野日鑛会長と哲学者・梅原猛氏の対談をまとめた『仏教を、世界へ。』が、このほど佼成出版社から発刊されました。本書は、佼成新聞創刊50周年を記念して昨年春に行われた対談(同6月11日付、18日付に掲載)の内容を収録したものです。

梅原氏は、長年にわたり庭野日敬開祖と懇意な間柄で、庭野開祖入寂後、本紙に追悼文を寄稿しています。今回の対談の冒頭でも「初めての対談から開祖さんが好きになりましてね。あの実直素朴な人柄に大変惹かれて」と庭野開祖の魅力を語りました。追悼文ではまた、庭野会長と同じ誕生日(3月20日)であることにも触れ、「いつの日か、語り合う日が来るであろう」と記しており、その期待と予感が記念対談で現実のものとなりました。
対談は、庭野開祖の足跡をたどるところからスタート。梅原氏が「庭野日敬という人は稀に見る"生きた宗教家"だと思いますね」と功績を讃えると、庭野会長は「父には反発してきましたから」と吐露しながらも、「『法華経』と日蓮聖人の『ご遺文』は深く取り組んでいたと思います。夜中に突然飛び起きて机に向かったこともたびたびあった」と庭野開祖の知られざる一面を披歴する場面もありました。
その後、仏教の「無常観」、法華経の精神、釈尊の説く平和論や寛容の精神、さらには宗教的な道徳心、「家庭仏教」の必要性などについて互いに語り合いました。中でも、家庭・家族の役割について梅原氏は、「自利利他の精神が自然と実現されている場」と家庭を定義した上で、現代の家庭崩壊の危険性を指摘。「これは人間の心の崩壊につながるもので、『家庭仏教』が今一番大事」と発言しました。これを受け、庭野会長は「何よりも大人が神仏の前で朝夕にお参りするという、その姿勢、(中略)いつまでも努力しますという精神が大切」と、まず大人が範を示していく必要性を述べています。
本書ではより多くの人に手にとってもらえるよう、新たに注釈を加えました。また、対談の内容を一層深く理解するための一助として、梅原氏の評論と庭野会長の外国での講演をそれぞれ3編収録しています。

新書判上製144ページ、定価1000円(税込)。
注文は各教会文書布教部長、支部文書責任者へ。直接、自宅などに配送を希望する場合は、フリーダイヤル0120(323)766まで。

(2007.03.09記載)