『第8回WCRP(世界宗教者平和会議)世界大会の総括と今後の展望』をテーマにWCRP日本委員会の「第33回平和のための宗教者研究集会」が3月19日、滋賀・大津市の天台宗務庁で行われました。加盟教団の宗教者を中心に約260人が参加しました。今回の研究集会は、昨年8月に京都で行われた世界大会後、初めての開催となります。当日は、基調講演やパネルディスカッションを通じて世界大会の成果を検証し、今後の課題などについて意見が交わされました。
『平和のために集う諸宗教――あらゆる暴力をのり越え、共にすべてのいのちを守るために』をテーマに昨年8月26日から29日まで、京都市の国立京都国際会館で第8回WCRP世界大会が開催されました。これに先立ち、「青年世界大会」(広島、京都)、「女性会議」(京都)も行われ、性差や世代を超えて幅広い議論が展開されました。世界大会最終日には暴力を否定し、和解と癒しをもたらすために宗教協力を一層推進し、「共有される安全保障」を定めた『京都宣言』を採択しました。
今回の同研究集会では、冒頭、同世界大会を収録した映像を上映。続いて、WCRP日本委員会平和研究所の眞田芳憲所長と、朝日新聞大阪本社の森本俊司編集委員が基調講演を行いました。
席上、眞田所長は同世界大会の概要を説明した上で、意義と特徴、課題に言及。テロや民族間、宗教間対立が続く世界の現状の中で日本が開催地となった意義を語るとともに、日本委員会として今後のビジョン構築の必要性などを強調しました。森本氏は、同じ京都で行われた第1回と第8回の世界大会の報道を比較して、報道側の視点の変化などについて意見を述べました。
このあと、『大会をふりかえって』と題してパネルディスカッションを実施しました。パネリストとして法相宗大本山薬師寺の安田暎胤管主、日本ムスリム協会の樋口美作名誉会長、カトリック東京大司教アレルヤ会の森脇友紀子会長、神社本庁渉外国際課の岩橋克二師、埼玉大学4年生で本会会員の土屋光正氏が登壇。正式代表者、ポストコングレス、女性代表、青年代表、事務局ボランティアという立場から総括と展望について発言しました。上智大学名誉教授で、カトリック・イエズス会司祭の山田經三師がコーディネーターを務めました。
この中で、大会規模が過去最大であり、紛争だけでなく、環境やHIV(エイズウイルス)など世界の諸課題を広く議論できたこと、青年ボランティアの活躍が各国参加者の評価を得たことなどが報告されました。一方、「大会の経験を今後どう生かしていくか」など課題も示されました。
(2007.03.23記載)
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