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2007年03月30日 教団付置研究所懇話会「第5回生命倫理研究部会」開催

中央学術研究所が加盟する教団付置研究所懇話会の「第5回生命倫理研究部会」が3月30日、普門館「国際会議室」で行われました。オブザーバーを含め19教団の付置研究所と1財団法人から50人が参加しました。

当日は、NCC(日本キリスト教協議会)宗教研究所の幸日出男理事、世界仏教徒センターの中村行明会長がキリスト教、仏教の「生命観」を発表しました。
幸氏は、旧約聖書にある「天地創造の記事」に触れ、神を賛美するために書かれた記事を「文字通りに読んで近代科学の学説と対置させることは問題」と強調。その上で、「生き物をすべて支配せよ」という「支配」の意味について、「近代ヨーロッパでは、これが自然を支配していいという根拠になった。しかし、本来は、羊飼いが羊を世話するように『お世話する』『大事に管理する』の意味」と語りました。また、多くの賛美歌に「死」や「最期の時」を表す言葉があることを紹介し、「キリスト教では、神に与えられたいのちには限りがあることを教えている」と述べました。
続いて中村氏は、「一切衆生」という言葉を取り上げ、人間と他の動植物のいのちとに境界線を設けない仏教の考え方を解説。科学技術の進歩による数多くの生命操作、南北格差や富の偏在によって臓器が売買されている状況に触れ、「人間は『行き過ぎだ』と感じても、その感覚はすぐに当たり前になってしまう。いのちに境界線あるという前提で突き進んでいいのか。人間の死亡率は100パーセントという事実を踏まえ、宗教者が医学や科学ののあり方をどう受け止めていくかが問われている」と訴えました。

(2007.04.06記載)