News Archive

2007年08月03日 比叡山宗教サミット20周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」開催

比叡山宗教サミット20周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」(主催・日本宗教代表者会議=日本宗教連盟に加盟する5連合を中心に構成)が『和解と協力―宗教・民族・国境を越えて―』をテーマに、8月3、4の両日、京都市左京区の国立京都国際会館、滋賀県大津市の比叡山延暦寺などを会場に開催されました。開会式には日本を含む世界19カ国からキリスト教、イスラーム、ヒンドゥー教、仏教、神道、ユダヤ教などの宗教者約2000人が出席。立正佼成会から庭野日鑛会長、山野井克典理事長はじめ教団幹部・スタッフ、近畿教区の教会長、会員らが参加しました。

1986年、当時のローマ教皇ヨハネ・パウロ二世の呼びかけで、イタリア・アッシジで「平和祈願の日」が開催されました。その精神を引き継ぎ、翌年、山田惠諦・第二五三世天台座主の提唱で、日本宗教連盟加盟5連合を中心に構成される「日本宗教代表者会議」を主催団体に「比叡山宗教サミット」が開催されました。庭野日敬開祖は同会議の名誉顧問を務め、開会のあいさつを述べました。

以来毎年、天台宗国際平和宗教協力協会などの主催により比叡山で世界平和を祈る集いが催され、国内外の宗教者が宗教・宗派を超えて真摯な祈りを捧げてきました。今年は20周年を記念して、日本宗教代表者会議の主催で「世界宗教者平和の祈りの集い」が開催されました。議長団の一人に庭野会長が、新宗連(新日本宗教団体連合会)理事長、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会理事長として名を連ねており、本会から教団幹部・スタッフ、京都教会のスタッフ・会員らが運営、ボランティアなどに携わりました。海外から、ジョセフ・バーナー・リード国連事務次長、釋一誠・中国佛教協会会長、イスラームのムハンマド・アブドルファディール・アブドルアジーズ・アズハル大学副学長、レオニド・キシコフスキーWCRP国際委員会実務議長など26人が参加しました。

3日、国立京都国際会館での開会式では、この20年間の世界を振り返る映像が上映された後、ボスニア・ヘルツェゴビナと広島の子供たちが、未来の理想を絵に描き、平和のメッセージを発表しました。続いて、日本宗教代表者会議の名誉顧問、議長団と海外宗教者が登壇。濱中光礼同会議事務総長(天台宗宗務総長)の開会あいさつ、矢田部正巳同会議議長(神社本庁総長)の歓迎あいさつに続き、国連事務総長、ローマ教皇、イスラームのアズハル大学総長、世界仏教徒連盟会長のメッセージがそれぞれ発表されました。
このあと、基調講演が行われ、ポール・プーパール・バチカン教皇庁諸宗教対話評議会議長の講演をフェリックス・マチャド同評議会次長が代読。続いて、イスラーム問題・寄進・宣教・善導省イスラーム問題審議官のアブドゥラー・アルレヘダン氏が講演に立ちました。
引き続き、7人のパネリストにより、集いのテーマに基づいたシンポジウムが行われました。「紛争は宗教を背景としたものでなく他の要因が大きい」「南北問題の解決が肝要。途上国では開発が平和につながる」などの意見が出されたほか、各地での宗教対話・協力の実例が紹介されました。また、宗教者の平和に向けた行動の大切さが確認され、席上、「参加者一同」の名で「アフガニスタンにおける『韓国人人質事件』に対する緊急声明」が発表されました。犠牲者の冥福を祈ると共に、和解と許しによる早期解決を訴えました。
同日夕、歓迎レセプションがグランドプリンスホテル京都で行われ、主催者を代表して庭野会長があいさつしました。
翌4日午前、国立京都国際会館で特別フォーラムが行われ、約300人が参加しました。2会場に分かれ、『諸宗教間の対話と協力―紛争和解から平和構築のために―』『自然との和解と共生―宗教者は地球環境保全のために何ができるか―』をテーマに、それぞれ活発な討議が行われました。
午後からは、比叡山延暦寺の根本中堂前広場で「世界平和祈りの式典」が行われ、約1000人が参列しました。ワールドピースベルアソシエーション本部から寄贈された「世界平和の鐘」の贈呈式、除幕式のあと、鐘が打ち鳴らされ、平和の黙祷が捧げられました。
主催者を代表して半田孝淳同会議名誉議長(天台座主)があいさつ。20年の対話と協力の成果に触れながら、なお世界が悲劇に満ちていると述べ、宗教者が人類の未来のために叡智を結集し、協力することが大切だと強く訴えました。
仏教、キリスト教、イスラーム、ヒンドゥー教など各宗教ごとに儀礼にしたがい「平和の祈り」を捧げたあと、「平和な地球の創造」をテーマに、ボスニア・ヘルツェゴビナと広島の子供たちと天台宗の青少年によるセレモニーが行われました。最後に、国内の宗教指導者が登壇し、山北宣久同会議議長(日本キリスト教連合会委員長)が、「比叡山メッセージ」を披露。紛争や暴力、テロ、地球温暖化の原因が自らのうちにあることを認め、対話と協力に努める宗教者の使命に言及した上で、「愛と慈悲に基づく『和解と許し』によってこそ、初めて平和がもたらされる」と読み上げました。

(2007.08.10記載)