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2007年08月31日 一食平和基金 レバノンのパレスチナ難民に緊急支援

本会一食平和基金運営委員会は先ごろ、パレスチナ難民支援活動を展開する「パレスチナ子どものキャンペーン」のレバノンでのプロジェクトに対し、300万円の緊急支援を行いました。

5月下旬に勃発したレバノン政府軍とイスラーム・スンニ派武装組織「ファタハ・イスラム」の交戦により、戦闘の拠点となっているレバノン北部のナハル・エルバレド難民キャンプの住民のほとんどが近くのバダウィ難民キャンプへ避難しました。バダウィ難民キャンプは人口が倍以上に膨れ上がり、混乱を来たしています。長引く避難生活により、人々の精神面のケアが特に急務となっています。「パレスチナ子どものキャンペーン」では現在、バダウィ難民キャンプに精神科医などを派遣し、難民に対する心理的サポート事業を展開。本会からの緊急支援も、こうした活動に役立てられます。
同団体によると、バダウィ難民キャンプには、これまで生活していた1万7000人の難民に加え、ナハル・エルバレド難民キャンプから2万人以上が避難しています。逃れてきた人々の多くは、銃口を向けられ、家族を失うなど避難する際に受けた精神的なショックのほか3カ月を超える避難生活によるストレスなどを抱え、心理的サポートを必要としています。
現在、多くの避難民が学校や幼稚園で避難生活を送っていますが、仮設住宅などの設置の見通しも立たず、9月には新学期が始まることから、退去の可能性も高まっています。
「ゆめポッケ」の配布先でもあるナハル・エルバレド難民キャンプは、交戦によって壊滅的に破壊されただけではなく、多くの地雷が埋められており、再建は絶望的。現地から帰国したばかりの田中好子事務局長は、「新学期が始まり、学校など公共施設で避難生活を送っている難民たちがどうなるのか。今はその動向を見守るしかない状況です。現地のスタッフやボランティアたちは一生懸命活動に取り組んでいますが、先の見通しが全く立たないという点で、支援活動を展開する私たちにとっても過去に例のない複雑な事態になっています」と話しています。

(2007.08.31記載)