WCRP(世界宗教者平和会議)日本青年部会の発足35周年記念式典が11月23日、横浜教会を会場に行われました。WCRP国際青年委員会(IYC)メンバーはじめ同青年部会役員、WCRP青年世界大会(昨年8月、広島・京都)参加者、同ボランティア経験者など約100人が参集。『希望の道を選び、行動を起こす青年の役割』をテーマに、これまでの歴史を振り返りつつ、青年宗教者による今後の活動を展望しました。
青年部会は、諸宗教による平和構築に向けた精神を行動に移していこうと、第1回WCRP世界大会(京都)の行われた3年後の1973年に発足しました。以来、青年宗教者の「出会いの場」「啓発の場」「実践の場」となることを基本方針に、サマーキャンプや日韓青年交流会、平和問題についての学習会などを定期的に実施。特に、昨年のWCRP世界大会では、会議への参画、運営、ボランティアに取り組み、国内外の宗教者から高い評価を得ました。
記念式典では、青年部会幹事長の松本貢一青年本部長が開会あいさつを述べ、こうした歴史を振り返りながら、式典テーマを確認。続いて、WCRP日本委員会の宮本けいし事務総長(妙智會教団理事長)が来賓あいさつに立ちました。
宮本師はまず、青年部会の取り組みが日本委員会の活動にも影響を与え、多くの人材を輩出したとして、青年部会を「WCRP活動の開拓者的な役割を果した」と称えました。さらに、国内外ではいのちの尊厳が軽視され、多くの暴力が存在するとした上で、「青年宗教者の役割はますます重大なものになる」と話し、今後の活動に期待を寄せました。
式典の目玉となったのは、WCRP国際委員会事務総長補の杉野恭一氏とIYCメンバー12人による活動報告会でした。WCRPが取り組む「グローバルユースネットワーク」構築に向けた世界各地の進捗状況が発表され、青年宗教者の役割を模索し合いました。
杉野氏は、昨年のWCRP青年世界大会後に「奇跡的なことが起きている」として、アフリカ、アジアなど各地で青年宗教者によるネットワークが作られつつある現状を紹介しました。
各地での活動報告として、ステラマリス・ムラーIYC委員長は、100年以内にアフリカの飢餓をなくすキャンペーンを開始し、コンゴ、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジの4カ国の青年宗教者が協力して活動するようすを報告。リベリアでは、少年兵や児童労働の問題があり、「今後、宗教者としてどのように取り組むかを明確にしたい」と話しました。
また、イスラエル諸宗教対話評議会のアビゲイル・モシュさんは、2回のWCRP青年事前会議(レバノン、エルサレム)で出会ったパレスチナ人とユダヤ人が、青年大会の会場となった広島市街で友情を深めたことを述懐。「帰国後、ネットワークをつくる活動を始め、数回の会合を行った」と報告しました。
このあと、質疑応答の時間が設けられました。中でも、宗教に偏見を持つ人、無関心な人がいる中で、大学生のネットワークを作る方法を尋ねた質問には、IYCメンバーが「大学生の関心事を話し合う場づくりを」「他国の大学生とインターネットで話し合うこともできる」などと応答。ヨルダン王立諸宗教研究所のバッカー・アル・ヒヤリ副所長は、「WCRPが生まれた1970年当時にも宗教への偏見はあったはず。創設者たちの精神、行動からたくさんのことを学べる」と提案しました。
なお、式典終了後、レセプションが行われ、小谷田昌亮・WCRP日本青年部会顧問があいさつを述べました。
(2007.11.30記載)
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