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2008年03月17日 WCRP日本委が奈良で「平和のための宗教者研究集会」を開催

『平和の文化を目指して――対話する宗教:宗教による智慧を訪ねて』をテーマに3月17日、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会による「第34回平和のための宗教者研究集会」が、奈良市の奈良県新公会堂で開催されました。WCRP日本委の役員や賛助会員、奈良の宗教者など約250人が参加しました。

同集会は、宗教者が平和の問題に取り組む上で、国内外の諸問題を学習、研究することを目的に毎年開催されています。WCRP日本委は2年後の2010年、WCRP創設40周年記念式典を、平城遷都1300年記念事業と連携して奈良で開催します。今回の集会は、その連携事業のスタートとしても位置づけられました。
冒頭、WCRP日本委理事長としてあいさつした庭野日鑛会長は、歴史的に日本は「大和」と呼ばれており、千数百年もの以前から「大いなる和」「大いなる調和」を理想とした国づくりを目指してきたと指摘しました。また、「そのような日本の古今に通じる平和への願いを、現代に実現できるよう努力するのが、先達から託された私どもの役割」と述べました。続いて、林洋・平城遷都1300年記念事業協会事務局長が、同事業の趣旨や内容を紹介し、事業の成功に向け、WCRP日本委との連携に期待を寄せました。
このあと、『日本の精神性確立に大和が果たした役割』をテーマに森本公誠東大寺長老が基調講演を行いました。森本師は、憲法十七条に見る和の精神、天皇神格化政策による尊王思想という2つの原理が、日本人の精神性形成に大きな影響を与えたと説明しました。その上で、現代の日本人の精神性に対する宗教者の影響力についても言及しました。
引き続き、眞田芳憲・WCRP平和研究所所長(中央大学名誉教授)をコーディネーターにパネルディスカッションが行われ、安田暎胤・薬師寺管主、山本俊正・日本キリスト教協議会総幹事、樋口美作・日本ムスリム協会名誉会長、薗田稔・秩父神社宮司の4人がパネリストとして出席ました。4人は、平和の文化創造に向け、各宗教が持つ智慧を生かし、宗教間対話を進める重要性について発言しました。
最後に大野玄妙・聖徳宗総本山法隆寺管長が閉会のあいさつを述べました。

(2008.04.04記載)