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2008年06月16日 WCRP日本委員会が「平和大学講座」を開催

『平和のために提言する世界宗教者会議~G8北海道・洞爺湖サミットに向けて~』をテーマに6月16日午後、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会(庭野日鑛理事長)の平成20年度「平和大学講座」が、東京・渋谷区の妙智會教団本部で開催され、WCRP日本委の役員、賛助会員ら約160人が参加しました。

来月、北海道・洞爺湖でG8サミット(主要国首脳会議)が開催されます。これに先立ち、WCRP日本委は7月2、3の両日、札幌コンベンションセンターで「平和のために提言する世界宗教者会議」(共催=WCRP国際委員会)を開催します。世界の諸問題を宗教者の立場から議論し、G8を中心とする各国首脳に提言する予定です。今回の平和大学講座は、その事前学習会と位置づけられました。
当日は、安田暎胤・WCRP日本委常務理事(薬師寺管主)の開会あいさつに次ぎ、宮本けいし・同事務総長(妙智會教団理事長)が同会議の概要を説明。「現実の課題を克服するため、宗教者が各宗教に共通する普遍の真理を見いだし、共有し、根本的な視点から議論を深めたい」と述べました。

続いて、『地球環境問題と宗教(者)の役割』をテーマに住明正・東京大学教授が基調講演を行いました。住教授は、現在の日本社会で消費されるエネルギーや資源の多くは、人間が生きる上で必要最低限のものでなく、過剰な欲望を満足させるためのものであると指摘。その欲望はいくらエネルギーを消費しても満たされないことから、心の面の充足感が大事であり、心のつながりが求められると強調しました。
その上で、「不安、孤独、情の欠如といった現代病とも言える状況に対応するためにも、寛容で、違いを許す社会やコミュニティーをつくることが大切であり、そこに宗教者の役割もある」と述べました。
このあと眞田芳憲氏(同日本委平和研究所所長、中央大学名誉教授)をコーディネーターにパネルディスカッションが行われました。佐藤純一氏(国際メタテクノロジー研究所所長)、薗田稔氏(京都大学名誉教授)、奈良康明氏(駒沢大学名誉教授)、山田經三氏(上智大学名誉教授)がパネリストを務めました。
ディスカッションでは、いのちの尊さや、人と人とのかかわり合い、愛や慈悲の実践など、宗教者ならではの視点から現代の諸問題を解決するための提言がなされました。参加者との質疑応答も行われました。
 最後に西田多戈止氏(同日本委常務理事、一燈園当番)が閉会のあいさつを述べました。

(2008.06.20記載)