「第20回国連軍縮会議inさいたま」(主催・国連軍縮部、国連アジア太平洋平和軍縮センター)が8月27日から29日まで、さいたま市の浦和ロイヤルパインズホテルで開催されました。世界11カ国から政府実務者や研究者、NGO(非政府機関)関係者ら89人が参加。WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会非武装・和解委員会から黒住宗道・黒住教副教主が、本会から神谷昌道ニューヨーク教会長が正式参加者として出席しました。
同会議は、国際平和や安全保障についての対話を通し、軍縮への意識を高めることが目的。1989年から毎年国内各地で開催され、今回は、『核軍縮、核不拡散と原子エネルギーの平和的利用:傾向と課題』をテーマに実施されました。
4つの主題を設けて行われた全体会議では、2010年にニューヨークで「NPT(核不拡散条約)運用検討会議」が開催されることから、同条約の課題点、イランや北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)による核開発などの問題に焦点が当てられました。特に、核兵器廃絶の具体的な取り組みの必要性や、原子力発電の促進によって不安視される核開発技術の拡散について活発な議論が展開されました。
28日の『市民社会との連携(軍縮・不拡散教育)』をテーマとした全体会議では、軍縮に向けたNGOや市民社会の果たす役割について討議。この中で黒住師が発言に立ち、今年7月に北海道札幌市で開催された「平和のために提言する世界宗教者会議~G8北海道・洞爺湖サミットに向けて~」での核廃絶に向けた議論内容を報告し、同会議で採択された「提言書」を福田康夫首相に手渡した経緯を紹介。同会議を通して世界各国の宗教者が、核兵器のない世界を願い、共に祈りを捧(ささ)げたことを伝えました。
翌29日に行われた「総括会議」では神谷教会長が、かつて核戦略を推進したヘンリー・キッシンジャー元米国国務長官らが核軍縮によって安全保障を高める主張を展開していることに言及。こうした考えをさらに深め、真の平和を実現していくため「非武装による平和社会の構築を理想論と切り捨てるのではなく、その実現に向けた創造的な取り組みを行うことが大切」と語りました。
同会議終了後、神谷教会長は、対人地雷全面禁止条約の成立に大きな役割を果たしたNGOの活動に触れ、宗教者が国家と市民社会の間に立ち、官民合同で軍縮に取り組む重要性を指摘。「核軍縮の推進には、いのちの尊厳を守るという大きな使命があります。今後も国連などと協力を続け、いのちの尊さを訴えていくのが宗教者の役目」と話しました。
(2008.09.12記載)
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