外務部、青年本部主管による「一食(いちじき)研修ツアー・インドコース」(団長=谷川浩通・本会健康保険組合常務理事)の事前学習会が9月20、21の両日、事務庁舎で行われ、事務局員を含め15人が参加しました。
同ツアーは、「一食を捧(ささ)げる運動」に対する理解を深め、運動の推進につなげるとともに、貧困や飢餓など世界が直面する諸課題について学び、それぞれの立場で解決に向けて貢献できる人材育成を目的に実施されます。10月31日から11月10日までの日程で行われるインドコースでは、本会一食平和基金から運営資金を委託され庭野平和財団が進める南アジアプロジェクトの実施状況を視察。現地NGO(非政府機関)と協働で行われているプロジェクトを見学するほか、現地の人々との触れ合いを通し、貧困への取り組みや社会運動の歴史について学ぶ機会も予定されています。
20日には、中山惠市外務部次長、谷川団長のあいさつ、グループワークに続き、『一食の理念と平和活動』と題し、川本くみこ同基金事務局長による研修が行われました。川本事務局長は「同悲・祈り・布施」という一食を捧げる運動の「三つの精神」を紹介。その精神は「すべてのいのちは、大いなる一つのいのちに生かされた同根の兄弟姉妹である」と語り、「一乗」精神に基づいていることを強調しました。その上で、南アジアの貧困や識字率の問題を説明し、「現地の人の思いを一部でも背負わせてもらいたいという心で、インドでの研修に臨んで頂けたらと思います」と話しました。
21日は、南アジアプログラムの概要について同財団の仲野省吾スタッフが説明後、JANIC(国際協力NGOセンター)の下澤嶽事務局長が『貧困とは何か』をテーマに講演。かつて日本のNGOの一員としてバングラデシュの農村で人々と触れ合った経験を踏まえ、物質的な貧困に加え、自信の喪失など貧しい人々の心に潜む「目に見えない貧困」に気づくことが大切と訴えました。また識字学習について触れ、「文字を学ぶことは社会参画の力や、人としての権利を身につけていくための第一歩になります。自ら社会に参画していくことが、貧困の悪循環を断ち切る力の一つになるのです」と話しました。
(2008.09.26記載)
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