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2008年09月23日 千鳥ヶ淵で戦没者慰霊法要

立正佼成会主催による「第50回千鳥ヶ淵戦争犠牲者慰霊法要並びに平和祈願式典」が9月23日、東京・千代田区の国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で行われました。1959年に第1回の「戦没者慰霊祭」が開催されて50年。今年は節目の式典となりました。当日は渡邊恭位理事長はじめ教団役職者、東京ブロックの会員、来賓ら約1300人が参列しました。                 

国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑は1959年3月に創建されました。本会は同年9月21日に宗教団体として初めての「戦没者慰霊祭」を開催。新宗連(新日本宗教団体連合会)の関係者らが来賓として参列する中、庭野開祖を導師に読経供養が行われ、すべての戦争犠牲者に慰霊の誠が捧(ささ)げられました。
96年には「千鳥ヶ淵戦争犠牲者慰霊法要並びに平和祈願式典」に名称を変更。これまで毎年9月に戦争犠牲者を追悼し、恒久平和実現の誓いを新たにする式典が続けられてきました。
50回目を迎えた今年は、東京佼成ウインドオーケストラの演奏とともに開式。佼成合唱団による『祈り』の調べと鎮魂の祈りを捧げるナレーションに合わせ、東京ブロック各教会代表の青年女子部員23人による奉献の儀が行われ、庭野会長からの花を中村佳代子渋谷教会長が献じました。
続いて渡邊恭位理事長を導師に読経供養が行われ、回向文が奏上されました。佼成合唱団による慰霊合唱のあと、あいさつに立った渡邊理事長は犠牲者に哀悼の意を表した上で、争いの元になる怒りの心は周囲に苦痛を与えるだけでなく、自身にも害を及ぼすという科学的見解を紹介。「怒りや恨みの心を超えて、争いのない世界を目指すことは宗教の大事な役割です」と話しました。
来賓を代表して、石川雅巳千代田区長と千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会の馬野猛彦理事長があいさつしました。次に、特定非営利活動法人「ヒロシマ宗教協力平和センター」の蜂須賀智子さんが戦争体験者として証言に立ち、原爆が投下された広島の悲惨な様子を説明。45年8月15日に『終戦の詔勅』を聞いた際の思いに触れ、「体の力がすーっと抜けるのを覚えた」と話しました。
さらに、戦時中には電球に遮光傘を付けていたことを紹介し、終戦を迎えた夜にその遮光傘を外すと「何とも言えない安堵(あんど)感とうれしさが込み上げてきたものです。この電球の光は平和の尊さを教えてくれた光、原爆の悲惨さ、残酷さを教えてくれた光です」と当時の複雑な心境を涙ながらに訴えました。その上で、大勢の犠牲者の上に現在の平和が築かれていることを次の世代に語り継いでいきたいと誓いました。
このあと、参加者全員で「ふるさと」を合唱。墨田教会の会員4人がそれぞれ平和への誓いを発表しました。

(2008.10.03記載)