『和解に向けて』をテーマに、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会の「新春学習会」が1月30日、法輪閣第5会議室で行われ、賛助会員や同日本委の関係者ら170人が参集しました。
今回の学習会は、2006年に京都で開催された「第8回WCRP世界大会」の席上採択された「京都宣言」を再確認し、そこに示された「共有される安全保障」の実現を促進するためのものです。国家間や地域での争いから個人レベルでの対立まで、あらゆる紛争について、和解への方策やアプローチを学ぶことが目的とされました。
当日は、山田經三同日本委平和研究所所員(上智大学名誉教授)の開会あいさつに続き、昨年7月に「G8北海道洞爺湖サミット」に先駆けて同日本委が札幌で開催した「平和のために提言する世界宗教者会議」と、昨年10月にフィリピン・マニラで行われた「第7回ACRP大会」の映像が放映されました。
このあと、明治学院大学心理学部心理学科の井上孝代教授が、『和解に向けて』をテーマに講演しました。認定カウンセラーとしての経験を交えながら、心理学の立場から「和解」について説明。あらゆる紛争や対立はすべて「私たちの心の中から出てきたこと」と述べ、和解には双方の意見を聞き合う「対話と共感が大事」と強調しました。その上で、傾聴の重要性に言及し、「聞き手は、相手がどういう感情を持って話しているか、感情に耳を澄ませることが大切です。耳で聞いて目で確かめて心に落とす。相手の感情を受け止める。これが"聴く"ということです」と解説しました。
また、ある小説で「聴す」に「ゆるす」と振り仮名が振られていたことに触れ、「人の話を心を込めて聴くということは、ゆるすこと。裁かないで受容することです」と話し、和解に求められる姿勢を示しました。
最後に、WCRP国際委員会の杉野恭一事務総長補が、今年1月、フランス・パリで開かれた「イスラエル・パレスチナ青年宗教者緊急会議」などについて報告しました。
(2009.2.6記載)
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