4月6日未明に発生したイタリア中部のラクイラ市(人口7万人)を震源地とするマグニチュード6・3の地震では、死者294人(12日現在)、負傷者1200人(100人を超える重傷者含む)以上の被害が報告されました。住居を失った人、避難生活を送る人の数は3万~4万人と推定されています。同市を中心に、少なくとも26町村が深刻な被害を受け、特に、中世期から近代にかけて建設された旧市街や町の中心区域での家屋、文化遺産、教会施設の倒壊が目立ちました。
ラクイラ市では10日、犠牲者たちの国葬が執り行われ、ナポリターノ大統領、ベルルスコーニ首相、多くの政治指導者、約5000人の市民が参加しました。聖週間と復活祭の行事を司式するためにバチカンを離れられないローマ教皇ベネディクト十六世は「できるだけ早いうちに被災地を訪問する」と約束し、司式者としてタルチジオ・ベルトーネ国務省長官を派遣しました。また、「あなたたちと苦悩を分かち合うために、霊的に共にいる」とのメッセージを送り、キリストの受難と死=復活祭前の金曜日(10日)はキリストの受難と死を追憶する日=に言及しながら、「こうした(悲惨な)時に、光明と希望の源泉となるのは信仰」だと述べ、犠牲者を弔い、被災者を慰めました。
「バチカンでも感じた、この破壊的な地震発生時からフォローしてきた」教皇は、「国内でより強くなっていく被災民に対する連帯活動を評価」し「聖座(バチカン)も、現地の教会、修道会や信徒団体と協力し貢献していく」と述べています。「連帯によってのみ、この苦しい時を克服できる」ともアピールしました。
庭野日鑛会長は、同地震の発生と被害状況の報を受け7日、駐日イタリア大使、駐日バチカン大使、バチカン諸宗教対話評議会、フォコラーレ運動と聖エジディオ共同体に宛(あ)て、「犠牲者を悼み」「被災民の状況に憂慮」するメッセージを送付しました。
フォコラーレ運動は庭野会長に「会員の内に死者はなかった。多くの会員の家が倒壊したり被害を受けたが、彼らは被災地を離れるか、現地で被災民の救援に従事している」と報告。聖エジディオ共同体はアンドレア・リカルディ会長名で「ラクイラ市を中心とするイタリア中部の人々にとって厳しい時に、配慮と友情を表明してくださったことに感謝」し、「われわれは犠牲者のための祈祷(きとう)集会を本部教会で執り行った」との返信を送付しました。
(2009.4.17記載)
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