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2009年05月22日 庭野平和財団「南アジアプログラム」支援先決

庭野平和財団が進める「南アジアプログラム」の2009年度のインドとスリランカでの支援先がこのほど、決定されました。インドでは今年度、『悩み苦しむ子供たち』をテーマに現地のNGO(非政府機関)3団体と協働でプロジェクトを実施。スリランカでは『貧困の削減に関する2つの問題--トリンコマレー、バティカロアの紛争による国内避難民と帰還民、およびモネラガラ地区の周縁化された人々』のプロジェクトを2団体と行います。1プロジェクトの実施期間は3年が目安です。同プログラムは立正佼成会一食平和基金から運営資金を委託されています。

今回決定されたインドの支援先はバルサカ(「幼なじみ」の意)、セバ・ジャガット(世話の会)、ビカス(「開発」の意)の3団体です。バルサカはビハール州パトナでストリートチルドレンのほか、児童労働や性的搾取を強いられている子供たちの保護に取り組み、教育や職業訓練の実施、故郷への帰還を進めます。同時に、同州のムザファプル、シタマリ両県内の村で人身売買の勧誘に騙(だま)されないよう情報を提供していきます。
セバ・ジャガットはオリッサ州カラハンディ県の36村に暮らす指定部族(先住民族)の子供たちを対象に学校を運営。正規の教育機関に通学させるための「橋渡し」として教育を提供しています。また、子供の権利に関する啓発を進めるとともに、住民の自助グループを通じて親たちの連帯意識を強め、生活向上をサポートしています。
ビカスはオリッサ州プリ県内の身体障害児を対象に州都ブバネシュワールに施設を開き、治療やリハビリを提供しています。軽度の子供に対しては巡回によるケアを行う予定です。身障者の権利を伝え、職業訓練も実施していきます。
一方、スリランカではAHAM(「心、魂」の意)とUWFWO(ウバ州開発農村女性協会)への支援が決定しました。
同国では政府とLTTE(タミル・イーラム解放の虎)の20年以上に及ぶ内戦で、東部のトリンコマレー、バティカロア両県でタミル人を中心に国内避難民が発生。AHAMは避難先から帰還したナルール村の121世帯を対象に、各自助グループのリーダーで構成する組織(CBO)の強化を図り、生活向上や雇用機会の創出、幼児教育の施設建設などを支援しています。
UWFWOは、同国で貧困率の高いモネラガラ県で活動するNGOです。ブッタラ地区内9カ村の最貧困層115世帯を対象に女性自助グループの組織づくりに努め、貯蓄や菜園づくり、作物売買所の設置などを行っていきます。

(2009.5.22記載)