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2009年11月08日 「第2回東京佼成ウインドオーケストラ作曲コンクール」本選会

21世紀の優れた吹奏楽作品の発掘と普及を目的とした「第2回東京佼成ウインドオーケストラ作曲コンクール」の本選会が11月8日、東京・豊島区の東京芸術劇場大ホールで行われました。席上、ノミネートされた5作品が東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)によって演奏され、第1位から第3位までの上位曲と各賞が決定。新宿区内のホテルでの表彰式では、TKWO名誉団長の庭野光祥次代会長から受賞者に表彰状が手渡されました。

同コンクールは2006年、TKWOの創立者である庭野日敬開祖の生誕100年および故フレデリック・フェネル氏のTKWO桂冠指揮者就任10周年を記念し、第1回が開催されました。3年に一度、国内外から吹奏楽作品を公募し、吹奏楽を通じた文化の交流と育成を図るとともに「若い優秀な作曲者の精神の所産を助力する」ことを目指します。
今回は、今年4月15日までの公募期間中に13カ国から38作品が寄せられました。作曲家の湯浅譲二氏を審査委員長に、これまで第1次選考(楽譜審査=5月9日)、第2次選考(演奏審査=9月4日)が行われ、本選会には5作品が選ばれました。当日は、小林恵子氏が指揮を務め、TKWOが5作品を演奏。閉会式では、同コンクール委員会の河野公利委員長(TKWO団長)のあいさつに続き、審査結果が発表されました。
厳正な審査により、第1位は山内雅弘氏の『宙(そら)の時(とき)--吹奏楽の為の』に決定。第2位はフランシスコ・サカレス・フォルト氏(スペイン)の『デ・カウシス』、第3位は稲森安太己氏の『吹奏楽のためのグランド・アラベスク』にそれぞれ贈られました。また、「審査委員会特別賞」を平野達也氏の『ノットゥルノ』、TKWO団員の投票による「フェネル特別賞」をフォルト氏の『デ・カウシス』が受賞しました。
総評に立った湯浅氏は、「国際的に見ても、応募作品の質は高かった」と述べ、山内氏の作品に対し「ユニークな発想を音響化する確かな技術を持ち、自分の音楽の世界を築いている」と賛辞を贈りました。
終了後、新宿区内のホテルで表彰式が行われました。各賞の表彰の後、光祥次代会長が主催者を代表してあいさつに立ち、応募者はじめコンクール開催に対する各方面からの協力に謝意を表しました。その上で、「(TKWOの)創立者である祖父・庭野日敬の生誕100年を記念して、第1回の作曲コンクールが開催されました。ウインドに夢を持っている多くの子供たちのためにも、この作曲コンクールが皆さまのご協力で、長く続いていくことを願っています」と述べました。

(2009.11.13記載)