釈尊入滅の意義をかみしめ、仏教徒として精進の決意を新たにする「涅槃会(ねはんえ)」式典が2月15日、大聖堂はじめ全国各教会で行われました。大聖堂での式典には約3200人が参集。法話に立った庭野日鑛会長は、釈尊が説いた「刹那(せつな)」の意味を解説し、過去や未来にとらわれることなく、一瞬一瞬を大事にし、今、目の前の人や物事を大切にすることを強調しました。
式典では、釈尊入滅を伝える物語がナレーションで紹介されたあと、千葉ブロック青年女子部員16人による奉献の儀、読経供養が行われました。引き続き、導師の庭野光祥次代会長が庭野会長の啓白文を奏上、齋藤高市墨田教会長が体験説法を行いました。
齋藤教会長は青年期を振り返り、世界の諸宗教者と手を携え、平和の実現に向けて尽力する庭野日敬開祖の後ろ姿を追うことに目標を見いだしたことを述懐。また、昨年行われた東京東ブロック青年部員によるニューヨーク練成の中で、参加者たちが核兵器廃絶などを訴える署名運動を展開したことに触れ、そのひたむきな姿に感銘を受けたと語りました。その上で、自らが「善き友」となることを誓願。「一人ひとりの仏性に光を当て、その素晴らしさを引き出させる縁となりたい」と決意を新たにしました。
このあと庭野会長が登壇。庭野会長は釈尊が弟子たちに対して「人間の一生というのは一刹那の長さである」と語った説法を紹介しながら、今を大切に生きることを示しました。人はとかく未来を思案しながら今を生きていると指摘した上で、「刹那」が本来意味する、瞬間、瞬間の重要性や、目の前の人や物事を大事にしていくことを説きました。
さらに、「刹那主義」という言葉にも言及し、過去や将来を考えず、現在のみの充足を優先するという一般的な解釈よりも、「この一瞬を最大限大事に生きること」に真意があると力説。「この『刹那』を大事にしないで、いつ、どこで、誰を大事にするかを、釈尊は私たちに問いかけていると思います」と語り、一瞬一瞬を大切に生きることを重ねて説き、参加者にさらなる精進を促しました。加えて、「今」と「心」によって構成される「念」という字を示し、「本当に今の目の前の一つひとつ、また一人ひとりを大事にする生き方が明日につながり、皆とつながっていく」と述べました。
(2010.2.19記載)
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